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GS1000と日々の日記

ファクトリーまめしばにおける日々の作業内容についてご紹介しております。

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フロント周りの剛性向上計画 その3

08年9月12日

アクスルシャフトとクランプができあがりましたので仮組みしてみました。
きちんと計測して製作したつもりでも、実際に組み付けてみると細かい不具合があったりしますので、仮組みを怠ることはできません。







これはスタンダードのアクスル周りです。
前回の日記でも掲載しましたが、この時代のバイクはこういった構造のものが多いです。







これは、今回製作したものです。
向かって左側に入る2つのカラーを省略して、アクスルシャフトと一体構造にしました。
右側のカラーは省略することができませんので、A7075で製作しました。
シャフトの材質はクロモリSCM440です。
所定の熱処理を施してありますので、引っ張り強度は6AL-4Vチタンと同等ですし、疲労強度でははるかに上回ります。
外径はスタンダードのシャフトと同じ15mmですが、ネジ部分は12mmから14mmに太くしましたし、15mmの部分もカラーを一体にした分だけ短くなっています。
カラーと一体にした部分は外径が22mmで、軽量化のために15mmの穴を開けて中空構造にしました。
こちら側は、頭を機械加工で六角にすると見栄えが良くなりますが、そうすると中空の穴を大きくできませんので軽量化としては不利になります。
ですので、7mmの横穴を開けて、ここにドライバーを突っ込んで押さえ、ナットで締め付ける構造にしました。
材質と合わせて強度剛性ともに飛躍的に向上するはず・・・です?







使用した材料SCM440の証明書です。
今回は、熱処理済みのいわゆる調質材を使いました。
非調質材を加工後に熱処理すると、今回のような長物は歪みの問題が発生するそうです。
調質材にはこのような証明書がついてきます。
成分や機械的性質などについて試験した結果を証明するものですね。
私もここまでは知りませんでしたが、今回勉強しました。







今回製作したクランプとスタンダードのクランプです。
スタンダードクランプは、スタッド穴のピッチが上下で異なってしまっています。
内に入ってしまっています。
締め付け力に負けて歪んでしまったんですね。
塑性変形(元に戻らない変形)しているということです。
今回新たに製作したものの材質はA7075です。
この材料、かのゼロ戦に使われたことでも有名ですが、アルミ合金中では最強の強度と剛性を持っています。
構造用炭素鋼であるS45Cとほぼ同等の引っ張り強度があります。
そして、ノーマルのクランプよりも5mm厚くしました。
素人の私には強度計算なんてすることはできませんので、とりあえずここまでやれば弱いってことはないだろうっていうアバウトなノリです。
いくらシャフトの剛性を高めても、このクランプ部分が弱ければ意味がないと考えました。
走行中、アクスルシャフトには様々な方向の応力がかかります。
縦方向、曲げ方向、ひねり方向・・・
これらの応力を受けるためにシャフト自体の剛性を高めることは有効と思いますが、このシャフトがしっかりとフロントフォークに固定されていなければなんの意味もないように思います。







仮組みした様子です。
こんな感じになります。
見るからに剛性が高そうな感じがしますね。
どんな乗り味になるのか、期待できそうです。
ちょっとクランプを厚くしすぎましたかねぇ・・・まっいいか・・・
アクスルシャフトを締め付けるフランジナットの材質は構造用炭素鋼のS45Cです。
工作機械の締め付けなどに使われる強度の高いナットです。
ちょっと1点だけ問題点を発見しましたので、近所のショップの旋盤を拝借して微調整しました。
具体的には、フランジナットのフランジ部分の径が大きくなったせいで、ナットの締め付け力がクランプに横からかかってしまいます。
それじゃあ絶対にまずいです。
フロントフォークの整列調整ができなくなります。
どうにかしなきゃいけませんが、しばらく考えた末、ナットのフランジ部分を旋盤加工して逃げを作り、ナットの締め付け力がカラーだけにかかるようにしました。





8mmのキャップボルトです。
スタンダードのスタッドボルトをこれに交換します。
クランプを強化しても、それを押さえるボルトが弱ければ意味がないと考えました。
ここは、先日のキャリパーブリッジボルトやコンロッドボルトのように、ボルトの引っ張り強度そのものが問われる構造ですので・・・
一見、ステンレスのように見えますが、強度区分12.9のクロモリ高張力ボルトに無電解ニッケルメッキをかけたものです。
クロモリのままだとすぐに真っ赤に錆びてしまいますので、防錆が主たる目的です。
クロモリなどのように炭素含有量が多い素材にメッキ処理すると、水素脆性という強度低下を引き起こしますが、これはベーキング処理という対策を講じてありますので大丈夫です。

仮組みして問題点の洗い出しも終わりましたので、メッキ屋さんに持ち込みました。
シャフトとナットには無電解ニッケルメッキ、クランプとカラーにはブラックのハードアルマイトです。
せっかくの部品なんだから、少しは目立つように別の色にしたらなんて言われましたが、目立たないのがいいんです。
目立つようにすると気づいた人からあれこれ質問されて、説明するのが面倒になってしまいますし、そもそもヒカリ物部品は私の趣味じゃないんです。

A7075という素材は、先にも書いたとおり強度剛性に関しては申し分ないのですが、酸化腐食には極めて弱いです。
酸化が始まるとウロコ状にささくれが発生し、急速にボロボロに腐り始めてしまいますのでアルマイトや塗装などの表面処理が必ず必要です。

それぞれの表面処理が終わったら、本組みして試走します。
自ら課した、現状のフロント周りの基本構造を変えないという制約のもと、少しでも効果的に、コストをかけずにバランス良く剛性を向上させることを目的にアイデアを絞りました。

さて、目論見どおりの効果が体感できるんでしょうか・・・・
自分でもワカリマセン



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