Entries

エンジンオーバーホールの定義なんて・・・


旧車専門を謳う有名店にて、名古屋市在住のKさんが昨年購入したZ1000は、エンジンオーバーホール済ということだったのです。
しかし、どうもシャキッとしないというか、いまひとつ芳しくありませんでした。
旧車だからこんなもの?いや、いくら古いからと言って、オーバーホールされた1000ccエンジンなんだから・・・悶々とした日々を過ごした結果、Kさんが考えたのは、装着されたCRキャブレターのセッティングが巧く決まらないことが原因に違いないということ。そこで私にご相談をくださったというわけなのです。
マシンの現状と問題点について、お電話にて色々とお聞きしましたが、走行自体は問題なく、高回転まで回すことができるということでした。
この時点では現車を見てはいませんし、エンジンオーバーホール済という言葉を信じて、とりあえずはKさんが訴える、CRキャブレターセッティング不良ということを前提に想像するしかありません。
様々な質問をしながらやりとりをしているうちに、Kさんも、その他に潜む問題について、予感めいたものを感じたのでしょうか、真意は定かではありませんけれど、遠く名古屋からマシンを持ち込んでくださることとなったのです。

P4080176.jpg





まずは、エンジンコンプレッションを計測します。
もう、ここで大きな問題が露見してしまいました。
6.5キロしかありません。
エンジンオーバーホール済のはずが、どうしたことでしょうか。







とりあえず、バルブクリアランスをチェックしてみなくてはなりませんので、シリンダーヘッドカバーを開けてみました。
リプロの安価なヘッドカバーガスケットが使われている上に、液体ガスケットがこれでもかと塗りたくられていますので、相当に嫌な予感がしました。
そして、吸排気カムのバルブタイミングは、目視でもわかるほどにひどく遅れています。
いや、コマの掛け違いではありません。合わせマークやコマ数は合っているにもかかわらず、これだけ遅れているのです。
計測の結果、インテーク側が約7°、エキゾースト側は約15°の遅れです。

P4080181.jpg






バルブクリアランスは、0.15mmほどに広いところがあるかと思えば、0.04mm以下という、ひどく狭いところも何か所かあり、その他の数値もまるでバラバラですので、とても、バルブクリアランス調整をしたとは思えません。
そう、ここまでは、全てにおいて滅茶苦茶な状態、素人以下のレベルです。

P4080182.jpg






カムホルダーのトルクチェックをしてみれば、まるでトルクがかからない箇所も発見されました。
エンジンオーバーホール済のはずですけれど・・・

P4080183.jpg






もう、全てについて疑わしい状態ですので、本来であれば、エンジン全分解オーバーホールをしたいところですが、いかんせん予算がそれを許してくれません。
とは言うものの、このままではまともな状態で走らせることはできません。
CRキャブレターセッティングのはるか以前の問題です。
とりあえず、シリンダーヘッドを外してみることとしました。
いずれにしても、カムホルダーのめねじにはヘリサートを入れなくてはなりませんし、バルブ周りにも問題が潜んでいそうですからね・・・

P4090189.jpg






これはZ1000であるはずなのに、バルブは、角溝タイプの初期のZ1/Z2のものです。
そして、それを保持するコッターは、丸溝タイプが使われています。
バルブステムの溝とコッターの溝タイプは同じものを使わなくては、バルブ脱落の危険性がありますので、こんな組み合わせは論外です。
どうも、適当な中古部品を寄せ集めて組んだとしか思えないものです。

P4090191.jpg






ヘッドとシリンダーの間にあるカムチェーンアイドラーは、このとおり、完全に分離してしまっています。こんなものは、オーバーホール時には新品に交換することが基本中の基本なのですが、このエンジンをオーバーホールしたショップはどういう了見なのでしょうか。

P3210086_20170417230104746.jpg






Kさんの予算都合がありますので、シリンダー及びピストンには手を付けることができませんが、シリンダーヘッド周りだけは可能な限り適正化することができました。

P4130204.jpg






ヘリサートを挿入して、カムホルダーにはきちんとトルクがかかるようにすることができました。

P4130205.jpg






バルブタイミングの遅れは、カムスプロケットを長穴加工して数値で合わせることで対処することとしました。

P4130206.jpg






装着されていたCR29も、完全分解オーバーホールの上で、適正なセッティングを行いました。
また、画像にはありませんが、点火時期も、規定値から10°以上も遅れた状態でしたので、これも適正にしました。
できれば、SP-2を投入したいところですが、予算が・・・

こうなると、全てが疑わしいですので、あれやこれやとチェックを施し、問題のあるところは対症療法を施し、なんとかまずまずの状態に持ち込むことができました。







オークションなどではなく、名前の売れた旧車専門店でエンジンオーバーホール済という車両を購入すれば、それは安心して乗ることができると信じるのが普通です。
しかし、そんな夢想は往々にして崩れ去ります。
売るための口上としてのエンジンオーバーホール済という謳い文句を信じてはなりません。
全てとは言いませんが、これは全く珍しいことではないのです。
私の記事には、Zのエンジンオーバーホールという内容が多数含まれ、その全ては、今回のKさんのように、キャブレターセッティングや点火系チューニングのご依頼に端を発するものです。
そう、マシン不調の原因は、キャブレターや点火系のみならず、エンジン本体にあり、それに対処するためのエンジンオーバーホールということです。

この現実をお読みになった方々が、これらの事実をどのように受け止めて評価するのか、それは個々のご判断に委ねることとしましょう。

はっきりしているのは、手元にある愛車は、それがどんな経緯で入手したものであったとしても、それが愛車である現実から逃れることはできないということ。
そして、それをきちんとした状態にするためには、相応のコストがかかるということ。
加えて、誰にそれを委ねるのか、実は、そこが最も悩ましい問題なのかもしれません。

それにしても、ごく普通のエンジンオーバーホール、それも、これ以上にシンプルな構造はないというほどのZエンジン、それなのに、まともにオーバーホールすらできない、いや、できないのではなく、やる気がないというというのはどういうことか・・・
そうだとすれば、それは、技術や知識の問題ではなく、人間としての性根の問題ですので、もはや期待することすら叶わないということなのかな。







話題沸騰中のブリスクLGSプラグ、その予約については、こちらに詳細がありますので、この記事記載の要領に従ってご予約をお願いいたします。
初回輸入ロット分の500本は、わずか1日で予約完売となりましたので、この次回輸入ロット分についても、予約なくして入手することはできません。
輸入通関した時点では、予約完売になっている可能性が大ということです。

ブリスクLGSプラグのご予約について


このブリスクLGSプラグの検証については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。

ブリスクプラグ


注目すべきインプレ集はこちらです。

ブリスクLGSプラグのインプレ集














CR-Mキャブレターの製作や装着セッティングについては、詳細なお見積りをお作りするご用意がありますので、関心をお持ちの方は、メール若しくはお電話にてお問い合わせください。


〒250-0852
神奈川県小田原市栢山(カヤマ)2925-3
ファクトリーまめしば
TEL 090-3342-1234
FAX 0465-46-7041
mameshiba198@gmail.com




ファクトリーまめしばでは、これだけの作業を日帰りで行うことができます。
ちなみに、概算のコストは下記の程度となりますので、参考にしてください。

※CRキャブレター関係
・Mノズル 4個 16,000円
・PEEK製リンクロッド 4個 8,000円
・低レートサブリターンスプリング 1本 1,000円
・ジェット代 適宜
・上記組み付け&セッティング工賃 30,000~40,000円
注:スロットルホルダー、スロットルパイプ、スロットルワイヤー等については、私の基準とする操作性や作動性を確保するため、交換させていただくことがあります。

※SP-2関係
・Z用SP-2(Ver.FM) 1セット 79,000円
・NGKパワーケーブル 4本 11,200円
・点火プラグ 4本 1,840円 (イリジウムプラグも選択可)
・上記装着セッティング工賃 15,000~25,000円

作業のご予約については、随時受け付けをしておりますので、ご遠慮なくお問い合わせください。



ファクトリーまめしばでは、マシン持ち込みでの、CRキャブレターに対するMノズル&PEEK製リンクロッド装着&セッティングサービスを行っております。その効果は想像以上・・・
ご希望の方は、メール若しくはお電話にてお問い合わせください。
作業時間は半日程度ですので、日帰りにて十分に可能となります。
また、愛車を題材にしてのセッティングガイダンスも平行して行いますし、具体的なセッティング方法、ジェット交換要領などもご説明いたします。
たとえば、今の季節でこの組み合わせだから、もっと気温が下がったら、スロージェットをこうしてジェットニードルをこんな感じに・・・とかね・・・
その後、ご自身の手によって、さらに好みのセットに煮詰めて行くのも楽しいものですよ。
具体的な価格等については下記の記事を参照ください。
これを機に、セッティングの迷路から脱出できることを考えれば格安と思います。

Mノズル&PEEK製リンクロッドの装着サービス



大好評のファクトリーまめしばオリジナルオイル開発の経過はこちらにありますので、どうぞご覧になってください。
オリジナルオイルの開発

P1090323.jpg

P1090324.jpg

価格を含めたサービス内容については、こちらをご覧ください。
常に在庫は確保しております。
オリジナルオイルのデリバリーについて



ファクトリーまめしば、新拠点へのアクセスは下記のとおりです。
・東名高速道路大井松田ICから5.5km、所要10分
・小田原厚木道路小田原東ICから5km、所要10分
・小田急小田原線栢山駅から徒歩5分

地図はこちらをご覧下さい。
新拠点の地図



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


にほんブログ村 バイクブログ バイク カスタムへ
このアイコンをポチッとネ
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
新しくスタートする新生ファクトリーまめしばに、皆様の応援クリックをよろしくお願いいたします。


↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まめしばスペシャルパーツのインプレ集は下記リンク先を参照ください。
全て、実際に購入していただいた方々から寄せられたものについて、そのままを掲載したものです。


・Mノズル
価格:1個4,000円


・CR-Mキャブレター
価格:1機 165,000円~


・強化フロントアクスルキット
価格:1セット 40,000円


・V-UP16
価格:1個 26,000円


・マルチスパークアンプ(MSA)
価格:1個 38,000円


・ルブロスプロメディック(オイル添加剤)
価格:1L 8,000円


その他、レデューサー、NGCエキゾーストシステム、SOHCエンジニアリング製ピストンキット&コンプリートエンジンなど、様々な部品をプロデュースしております。
いずれも、自信を持ってお勧めできるものばかりです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ファクトリーまめしばスペシャルパーツのリンクはこちらです

ファクトリーまめしばスペシャルパーツ

これらの部品や作業等に関する各種お問い合わせは、
mameshiba198★gmail.com(★に@を入れてください)
までどうぞご遠慮なくメールをお送りいただくか、直接お電話をください。



〒250-0852
神奈川県小田原市栢山(カヤマ)2925-3
ファクトリーまめしば
TEL 090-3342-1234
FAX 0465-46-7041
mameshiba198@gmail.com


拍手もどうぞよろしく!!!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

スポンサーサイト

ご案内

プロフィール

mameshiba198

Author:mameshiba198
FC2ブログへようこそ!

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

全記事表示リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
車・バイク
6位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
バイク
1位
アクセスランキングを見る>>

カテゴリ