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Z750FX1のエンジンオーバーホール その5~カムシャフト周りの組み付けとバルブタイミング調整


さて、Sさんへの業務連絡を続けましょう。
昼間は来客や電話対応などに追われてしまいますので、エンジンの組み立てなどの神経を使う作業については、夜間にやらざるを得ないのです。
まあ、慌ててやってもロクなことはありませんので、一人静かに落ち着いて進めましょうね。

本日は、夕食後からシリンダーヘッド、カムシャフトの組み付けとバルブタイミング調整までを行いました。

まず、シリンダー上面とヘッド下面を脱脂したら、Oリング、ヘッドガスケット、カムチェーンローラー、ダウエルピンなどをセットします。ここで忘れ物をしないように気を付けないと、またやり直しということになりますからね。

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シリンダーヘッドを載せたら、指定の順番にヘッドナットを規定トルクまで2回に分けて締め付けます。

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次に、カムシャフトを組み付けます。

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カムホルダーを装着したあと、排気カムスプロケットの合いマークがシリンダーヘッド上面と水平になるのが正規位置です。
そして、その次のピンが1番ピンですので、そこから数えて28ピン目を吸気カムスプロケットの合わせマークに合わせます。

PB073407.jpg






これが吸気カムスプロケットの28ピン合わせマークです。

PB073408.jpg






そして、カムホルダーを規定トルクで締め付けます。
排気側ねじ穴はヘリサート挿入にて修正していますので、トルクの立ち上がり感も正常になりました。座面が当たってトルクがキュ~ッと立ち上がり、全てのネジが同じタイミングで規定トルクに達します。
ここで、ヌルヌルっと緩く立ち上がって行くような手ごたえだった場合には、そのネジ穴はダメだということです。
そしてもうひとつ、こういうボルトは必ず新品にすることです。
エンジン内部のボルトですから、錆びたりはしませんけれど、そうだといって使い回しをすると、必ず後悔します。
エンジン内部のボルトは、ケチらずに新品が原則です。

PB073410.jpg






ここで、ついついクランクシャフトを回してしまいがちですが、ここでは決して回してはいけません。アイドラーやカムチェーンテンショナーを装着する前にクランクを回せば、ほぼ100%に近い確率でコマ飛びを起こし、先に合わせたカムスプロケットがずれてしまいます。
良く、Zのエンジンを分解してみたら、コマずれしていたという話を聞くと思いますが、これは組み間違いというよりも、ここでクランクを回してしまったことによるものがほとんどだと思います。
アイドラーとカムチェーンテンショナーを装着します。
このエンジンのテンショナーは、フルオートタイプですので、まずはテンショナーロッドをロックしておいてシリンダー背面に装着し、ロックを解除し、ここでパチンとロッドが飛び出す音を確認しましょう。
ここで、飛び出る音がしない場合、何かが間違っています。

PB073412.jpg



動画で見る方がわかりやすいですね。
この、ロッドが飛び出す音を確認してくださいね。








次に、バルブクリアランスをチェックします。
先だって、シリンダーヘッド単体での調整は済ませていますが、シリンダーヘッドに締め付けトルクがかかることで、多少の変化がある場合があります。
このエンジンの場合、シリンダーの上下面とシリンダーヘッド面を修正面研磨していますので、ほとんど変化はありませんでした。
ここで大きく変化するような場合は、シリンダーやシリンダーヘッドが反ったりねじれたりしていることを疑うべきでしょう。
特に、スリーブ交換をしない場合、シリンダー下面の修正面研磨はしないでしょうから、そういうエンジンにきちんとした精度は望むべくもありません。

PB073414.jpg






次はバルブタイミング調整です。
たとえノーマルカムを使う場合であっても、きちんとした設計値に合わせることは有為です。機械部品には必ず公差というものがありますので、フルノーマルであったとしても、ほとんどの場合は設計値からずれているものです。

まず、正確な上死点を出します。

PB083417.jpg






そして、排気側カムシャフトからバルブタイミングを計測し、実測値を確認します。
ちなみに、Zの場合は、吸排気ともにLC:110°が設計値ですが、実際には、排気側が7°、吸気側が3°遅れて、吸気113°、排気103°になっていました。
今回のエンジンは、ハイコンプピストンで圧縮も上がっていますので、ちょっとオーバーラップを大きく取って、下記の値にすることにしました。設計値と比較すると、吸気を3°進めて排気を1°遅らせることでオーバーラップを4°大きく取ったということです。
圧縮が上がったことで低中速トルクは十分に補うことができますので、こうすることで中速から上の伸びが良くなることでしょう。
吸気107°
排気109°

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あらかじめ長穴に加工してあったカムスプロケット取り付け穴を見れば、どれくらいずらしたのかがわかりますね。

PB083422.jpg






カムシャフトの取り付け穴とボルトをきちんと脱脂し、ここにネジロック材を塗布して緩み止めとします。

PB083421.jpg

PB083420.jpg






さて、組み立て直後ですが、ここでコンプレッションを計測してみましょう。
ここできちんとした値が出ない場合、組み付けミスによってバルブを曲げてしまったとか、ピストンリングがきちんと組み付けられていないなどの問題があるということです。
オーバーホール作業前には、6キロほどまで低下していた値は、全ての気筒で10キロをマークしましたので、今回の作業に問題はないということです。
また、このあと、ならしが終わるころには、各部の馴染みが出ることでさらに値は向上します。

PB083426-tile.jpg






これも大切な作業です。
エンジンオイルを入れて、プラグを抜いた状態でクランキングさせ、カムジャーナルからオイルが出て来るかどうかを確認します。
そう、シリンダーヘッドまで確実にオイルが回っているかどうかをチェックするのです。
ここで回っていない場合、そのエンジンは始動後にほどなくして焼き付きなどのトラブルを起こすこと相違なしです。

PB083432.jpg





動画で見ると良くわかりますね。
カムジャーナルからじんわりとオイルがにじみ出るのがわかりますが、これが正常ということです。








エンジンオーバーホールにおいて、以上の作業は特別なことでもなんでもありません。
極めてオーソドックスにセオリーどおりの作業を真面目にやったに過ぎません。








ファクトリーまめしばでは、これだけの作業を日帰りで行うことができます。
ちなみに、概算のコストは下記の程度となりますので、参考にしてください。

※CRキャブレター関係
・Mノズル 4個 16,000円
・PEEK製リンクロッド 4個 8,000円
・低レートサブリターンスプリング 1本 1,000円
・ジェット代 適宜
・上記組み付け&セッティング工賃 30,000~40,000円
注:スロットルホルダー、スロットルパイプ、スロットルワイヤー等については、私の基準とする操作性や作動性を確保するため、交換させていただくことがあります。

※SP-2関係
・Z用SP-2(Ver.FM) 1セット 79,000円
・NGKパワーケーブル 4本 11,200円
・点火プラグ 4本 1,840円 (イリジウムプラグも選択可)
・上記装着セッティング工賃 15,000~25,000円

作業のご予約については、随時受け付けをしておりますので、ご遠慮なくお問い合わせください。




ホンダCB-F用のULFスロットル&クラッチワイヤーの完成に伴い、ご予約の受付を開始しました。
詳しくはこちらをご覧ください。

CB-F用ULFスロットル&クラッチワイヤーの予約受付について


ファクトリーまめしばでは、マシン持ち込みでの、CRキャブレターに対するMノズル&PEEK製リンクロッド装着&セッティングサービスを行っております。その効果は想像以上・・・
ご希望の方は、メール若しくはお電話にてお問い合わせください。
作業時間は半日程度ですので、日帰りにて十分に可能となります。
また、愛車を題材にしてのセッティングガイダンスも平行して行いますし、具体的なセッティング方法、ジェット交換要領などもご説明いたします。
たとえば、今の季節でこの組み合わせだから、もっと気温が下がったら、スロージェットをこうしてジェットニードルをこんな感じに・・・とかね・・・
その後、ご自身の手によって、さらに好みのセットに煮詰めて行くのも楽しいものですよ。
具体的な価格等については下記の記事を参照ください。
これを機に、セッティングの迷路から脱出できることを考えれば格安と思います。

Mノズル&PEEK製リンクロッドの装着サービス



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オリジナルオイルの開発

P1090323.jpg

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価格を含めたサービス内容については、こちらをご覧ください。
常に在庫は確保しております。
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ファクトリーまめしば、新拠点へのアクセスは下記のとおりです。
・東名高速道路大井松田ICから5.5km、所要10分
・小田原厚木道路小田原東ICから5km、所要10分
・小田急小田原線栢山駅から徒歩5分

地図はこちらをご覧下さい。
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