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旧車の世界へようこそ

1970年代後半から1980年代前半に青春時代を過ごした私の感覚では、ZやらGSなんていうバイクは、先輩からもらうものだった。
「もう、これいらねえからお前が乗れよ」なんて感じでね。
そして、解体屋に行くと、Zのスクラップなんてゴロゴロしていて、一山1,000円、適当に好きな部品持って行け状態だったものだ。
事実私は、学生時代にアルバイトをしていたバイクショップの社長に、十台以上も倉庫に鎮座していた下取り不良在庫のZを指して、
「邪魔だから好きなの持って行け」
と言われ、丁重にお断りしたという経験すらある。

つまり、これらの旧車は、一時は全くの無価値ゴミになったということだ。
1980年代後半ころになると、カスタムZブームがやって来るけれど、当初これを支えたのは、タダ同然のベース車両を入手してきて、切った張ったのやりたい放題ができて楽しいからというのが始まりだったように思うし、ちゃんと走るかどうかなんて二の次で、とにかく目立ってカッコイイというのが主たる価値観だった。
当時の私も含めて、どうやったらバイクを効率よく走るものにするかということに関心を持つ層は、こういった旧車カテゴリーに対する興味など微塵もなかった。

なにせ、毎月のように新型マシンがデリバリーされ、メーカーも次々にニューテクノロジーを開発投入していたので、最新のものが全て良いという価値観に支配されていたからだ。
ところが、時代が流れ、こういった絶版旧車が突然に大きな価値を持つようになったものだから、これは商売になるとばかりに、いわゆるブローカー系の業者が大挙して参入し、今日に至るのだ。
海外から安く仕入れて国内で高く売る、それはビジネスとしてはまっとうなことだけれど、スタートの視点が、「バイクとしてどうあるべきか」というところにはないので、いつしか逸脱してしまう輩も出てきてしまったのかも知れない。

そもそも、40年も前に生産された機械に、基準など存在しない。
古いんだからこんなものだと言われてしまうと、それを正面から完全否定などしようがないのである。
良からぬ業者はそれを逆手にやりたい放題するけれど、確信犯である彼らを阻止する手立てなどない。なぜならば、基準が存在しないことを熟知し、いくらでも自己都合の言い逃れができることを知っているからだ。
悪いことに、バイクメディアも広告料を支払ってくれる業者はお客様なので、食うためには提灯記事を書くことに躊躇はない。
かくして、善良かつ無知なユーザーは餌食となる・・・
いや、旧車を扱う全ての業者がそうだということではないけれど、その見分けを付けることが非常に難しくなってしまったというのが現実だ。

結局のところ、ユーザーサイドが知識や人を見る目を涵養することで自衛するしかないし、本質的にそういうリスキーなものに大金を投じるのだという覚悟を決めることも必要だ。
また、どんなに善良な業者であっても、仕入れてきた旧車について、その時点において、その具体的かつ詳細な状態を把握することは困難なのだから、業者にとっても旧車の仕入れはリスキーという現実も忘れてはならない。高価な仕入れをしてみたら、それは、あらら・・・となった場合、その顛末をどうするのか、そこに真価が問われるという側面があるのも事実だ。
街中に旧車はたくさん走り、バイク雑誌にはカスタムチューニングされた旧車がグラビアカタログごとく陳列され、ファクトリーまめしばのブログを始め、ネット上にも旧車ネタが散乱しているので、お金さえ払えば快調に走る旧車が容易に入手できるかのごとく錯覚しがちだけれど、現実はそんなに甘くなかったりすることも珍しくはない。
バイクの経験はないし知識もない、けれども旧車には乗りたい。お金は貯めて用意できたから、名前の売れた有名店に行ってお金を払えば良いものが手に入るに違いないと考えること、それは、通常であれば、極めて健全かつまっとうな判断であるし、微塵の非難も受けるようなことではないのだけれど、それが必ずしも通用しないというところが、残念ではあるけれども悲しい現実だ。


当たるも八卦、当たらぬも八卦、どう転んでも笑って楽しむことができるという自信がおありならば、旧車の世界へようこそおいでください。





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