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Z1000LTDの初期化&ライトチューニング その30~キャスター角度


キャスター角とステムオフセットサイズ、そして、これらによって決まるトレール値は、ステアリングをまっすぐに戻そうとする力、つまりフロント周りの復元力を支配しています。
1台のオートバイのステア特性については、これ以外にも多くの要素が影響しますので、このキャスター&オフセットが全てを支配しているわけではありませんが、重要な要素であることも事実です。

理想は、マシンを寝かせた分だけリニアに、そして過不足なくステアリングが切れつつも、前後ホイールが均等に寝てくれるというものです。
そこで、基本的に私はカワサキZのステア特性があまり好きではありません。
Z1からZ1000Aあたりまでは、シート高が低く、ステップが前方に位置し、ハンドルも大きくプルバックして幅が広いというポジション設定によってさほど気にならないのですが、たとえばZ1000MK2のそれは、まことにアンバランスではないかと感じています。
フルノーマルマシンであれば、ギリギリの許容範囲ですが、リアサスの変更やフロント18インチ化などによって前下がり傾向にしたとたんに全ては破綻してしまいます。
Z1Rの1型などは、ノーマルでも破綻状態ですね。

街中の四つ角を曲がるだけでも、ステアリングが一気に内側に切れ込んでしまい、イン側のハンドルバーを押し込むような操作を求められます。
タイトな下りコーナーにブレーキングしながら進入するなどというシチュエーションは、まるで悪夢です。
やたらに近く感じるフロントホイールが、増大した荷重によって盛大に切れ込みつつ、リアだけが寝てフロントは全く寝てくれない・・・

なので、キャスター角が立っていてステムオフセットが大きくてトレール値が少ないという傾向にあるZというマシンには、高くて幅広で開きの少ないハンドルが前提となります。そうじゃなければ、切れ込もうとするステアリングを抑え込むことが困難になります。
なので、盛大に絞り気味で幅が狭いYBなんとかなんていうのは、ちゃんと乗ろうと思うと最悪、コントロール性もハンドリングもへったくれもありません。だいたい、あんなに絞ってしまったら、ハンドルバーへの入力ポイントである両グリップ位置が、ステアリング軸と大きくオフセットされてしまいますので、そんな状態で切れ込みをどうやって抑えるのか、私には無理です。
まあ、見た目にカッコ良ければいいという向きは好きにすればいいんですけれどね。私にはカッコイイとすら思えませんが、それは好みの問題なので、まあいいとしましょう。

メーカーであるカワサキは、Z1に端を発するZシリーズの最終モデルであるZ1000MK2が、ハンドリングという点においては実に不細工なものになってしまったことについて自覚していたようで、フルモデルチェンジを果たしたZ1000Jにおいては、車体アライメントを大きく見直しています。
キャスター角を大きく寝かせることでフロントホイールを遠ざけつつトレールを大きくし、エンジン前後長を短くフレームのクレードルサイズを小さくすることでエンジン搭載位置を前進させつつスイングアーム長を大きくすることによって、自然なステア特性と運動性、そして安定性を高めようとしたのです。
ちなみに、Z1000Jのアライメントは、Zを凌駕すべく後発したGS750、GS1000、そしてCB-Fと近似となります。
大きく重い空冷4気筒エンジンを鉄パイプのクレードルフレームに搭載するという基本構成において共通であるこれらのマシンが、スーパーバイクレースなどを経ることで熟成した結果、似たような傾向のアライメントになったということです。

各マシンのキャスター&トレール値は下記のとおりです。

・Z1 26度 90mm
・Z1000A1 26度 90mm
・Z1R-1 26度 85mm
・Z1000MK2 26度 87mm
・Z1000LTD 26度 90mm
・Z1R-2 26度 101mm
・Z1000J 27.5度 99mm
・Z1100GP 29度 120mm
・GPz1100 27.5度 116mm
・Z1000R1 29度 115mm
・Z1000R2 27.5度 98mm
・Z1100R 28度 114mm

・CB900FZ 27.5度 115mm
・CB900FB 27.5度 110mm
・CB900FC 27.3度 110mm
・CB1100FD 28.5度 120mm

・GS750 27度 106mm
・GS1000 27度 116mm
・GSX1100S 28.3度 118mm


私は、ここに記載した全てのマシンに乗った経験がありますが、Z1R-1やZ1000MK2に感じる違和感は、上記の値によっても裏付けられるのです。

また、マシンの運動性やコーナリング速度を高めようとすれば、バンク角の確保を含めてリア車高を上げて行かざるを得ないのですが、それをしようとしたときに、あまりにも立ったキャスター角ではマージンがありません。もともと少ないトレール値がさらに少なくなり、とたんに破綻してしまうのです。
Z1000Jをはじめ、後発の他メーカー車両についても、およそ27度以上のキャスター角を与えられていることからも、それは傾向として明らかなことです。
かつて、高速域や旋回時の安定性を高めるために、モリワキモンスターなどにおいて、フレームネック角度を寝かせてキャスター角を増加させることで対策したというのは有名な話ですが、それも同様の効果を狙ったものということです。

基本的に剛性が低くて重心やロールセンターが高い位置にある鉄パイプクレードルフレームマシンにおいては、ライダーの感覚として、フロントタイヤがやや遠く外側にあり、かつ、切れ角依存ではなく、キャンバー角(バンク角)依存傾向の方が、接地感をつかみやすくなります。そして、そういう傾向にある方が、ライダーが積極的な荷重コントロールなどをしなくても、安定したコーナリングができるのです。
たとえば、ロングホイールベース&大キャスター角のアメリカンモデルが、寝かしても曲がらない大アンダーながらも、大きな接地感と安定感に包まれた旋回性を見せるもの、そういう傾向にあるからです。

結局のところ、仮に高い運動性を持っていたとしても、ライダーがビビッてしまうような不安感に包まれたマシンは、思い切り乗ることができずに速く走れないもの・・・


さて、うちにある各車両について計測してみましょう。

まずは、Z1000MK2とZ1R-2です。

PB182575.jpg







・Z1R-2 24.5度
ステムオフセットは50mmですので、このキャスター角でもなんとか安定性を確保しているのですね。そこがZ1R-1と大きく違う点です。

PB182571.jpg






・Z1000MK2 25度
オフセットは60mmですので、やはり芳しくない・・・
ここでリアサスなどでリア車高が上がったりすると、とたんに破綻します。

PB182572.jpg






・GS1207 25度
運動性を上げるためにリア車高を相当に上げていますので、キャスター角も立っていますが、オフセットを35mmにしていますので、運動性と安定性をそれぞれ両立確保できています。

PB182565.jpg

PB182573.jpg






・GS750 27度
私好みのナイスなハンドリングマシンです。
ステムオフセットは50mmです。

PB182578.jpg

PB182574.jpg






・GS1000ノーマル 27.5度
オフセットは50mmです。
フルノーマルのGS1000、実に安定感にあふれた落ち着いたハンドリングですので、ライダーが安心して思い切り振り回せるのです。
下りヘアピンの進入時、ブレーキを思い切りかけたままでも切れ込むことなど皆無ですし、高速道路などでも、大砲の弾に乗ったみたいにド~ンと直進します。

PB182577.jpg

PB182576.jpg





さて、Z1000LTDは、25度でした。
ちょっと、実車がバラバラ状態なので、過去に撮影した真横写真を使いました。

PB172554.jpg







さて、このZ1000LTDフレーム、首回りをグイッとひねってもらいましょうね。

PB172550.jpg

PB172551.jpg

PB172552.jpg






GSとZでは、エンジン搭載位置が違います。GSの方が相当に前寄りに積まれています。
そして、同じGSでも、GS750よりもGS1000の方が、より前寄りです。
また、スイングアーム長は、実測で下記のとおりです。


・Z 495mm
・GS750 500mm
・GS1000 530mm


Z1000LTDのフレームネック角度を寝かしてやれば、キャスター角は寝てトレール値は大きくなりますが、エンジン搭載位置は相対的に、より後ろ寄りになることとなります。
さて、その結果、Zがどのようなハンドリングになるのか、私自身も興味津々なのです。







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