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GS/GSX用ウオタニSP-2(V.F.M)の開発 その1~輸出仕様と国内仕様の点火カーブ


昨年、私はカワサキZ用ウオタニSP-2のオリジナルバージョン(V.F.M)を開発しデリバリーを開始しました。
これは、昨日の記事にも書いたとおり、ローコンプのノーマルエンジンからハイチューンドのハイコンプエンジンまでに幅広く対応し、かつ、それぞれにTPS対応の3次元マップを用意するというワイドレンジかつ汎用性の高いものとしたのです。
その開発目的と経過については、こちらにまとめてありますので、どうぞお読みになってください。

Z用オリジナルSP-2キットの開発


GS/GSX系用のウオタニSP-2の特注仕様については、これまでにも3次元マップをインストールしたオリジナルバージョンを用意していたところですが、ノーマルからハイチューンドまでへの幅広い対応という点においては、後発のZ用(V.F.M)の方がより進化したものと言わざるを得ません。そして、数人のGSX1100Sユーザーの方から、Z用に匹敵するものを開発して欲しいというリクエストをいただいてきましたので、その検討を行うこととしました。


ところで、GSX1100Sに搭載されている空冷4バルブTSCCエンジンは、1980年、GSX1100Eのものとして開発され、その後、1994年の国内仕様に至るまで生産されました。
当初、このエンジンの点火時期進角制御は、1980年代前半の例によって、機械式遠心ガバナーによるものでしたが、1994年に国内仕様として再販された際には、デジタル制御のプログラム進角となりました。
そこで、巷のカタナ乗りの方々は、国内仕様が再販されたとき、以前の輸出仕様と比較して、エンジンのトルク感やパンチ感がなくなったと評し、それは、国内仕様が100馬力規制されていたこととあいまって、単純に、規制によってパワーダウンしたものと認識したようです。

果たして真相は・・・

これは、GSX1100S用ウオタニSP-2の点火カーブです。
ウオタニさんは、輸出仕様用と国内仕様用の2種類のSP-2キットを販売していますが、これは、ハーネス形状の違いのみで、ユニット本体は共通ですので、両キットに点火カーブに違いはありません。
そして、ウオタニさんは、GSX1100S用に限らず、全てのSP-2の点火カーブについて、それぞれのノーマルカーブを模しています。そしてこのカーブは、1994年に再販された、国内仕様そのものです。
この、ちょっと変わっているように見えるカーブに、国内仕様の持つ物足りなさの本質的理由があるのですが、しかしそれは、必ずしもデメリットばかりではありません。

P3160372.jpg





これは、機械式遠心ガバナー進角装置を持つ輸出仕様のものです。
データとしては、
12°BTDC/1,000rpm~37°BTDC/2,350rpm
というものですが、遠心ガバナーの場合、スイッチのオンオフのようにパカッと開いて一気に進角しますので、こういうカーブになります。

P3160373.jpg







この、パカッと開く遠心ガバナーが描く特有のカーブこそが、輸出仕様の、低回転域からスロットルを開けた直後における、「ゴワッ、ゴリゴリッ」という豪快な吹け上がり感の理由です。アイドリング直後から一気に進角カーブが立ち上がることによるものですが、これは、GSX1100Sに限らず、GSやZ、そしてCBなどをはじめ、遠心ガバナー進化装置に共通のフィーリングなのです。

余談ですが、どうもカワサキというメーカーは、この点火時期カーブを急激に立ち上げることで豪快な加速フィーリングを演出するのが好きなようで、デジタル進角イグナイターになってからも、現在に至るまで、意図的に特定回転域で点火カーブを立ち上げています。
それくらい、点火カーブというのは、エンジンフィーリングを大きく左右するということです。


一部のコアなカタナ乗りの間では、ウオタニSP-2よりもダイナ2000の方がパワー感があっていいとされていますが、それも点火カーブに理由があります。
これは、ダイナ2000の点火カーブです。ちなみに、ダイナ2000は、それぞれの車種用キット全てにおいてユニットを共通としています。つまり、全てのダイナ2000がこれということです。
ご覧のとおり、ダイヤル選択によって立ち上がり角度は異なりますが、一気に最大進角値まで進角するという形そのものに変わりはありません。
つまり、基本的には遠心ガバナー進角装置と同じカーブということです。
これが、GSX1100Sにはダイナ2000がいいとされてきた本質的理由なのです。

P3160371.jpg







さらに、国内仕様用のチューニングパーツにおいて、輸出用フルパワー点火キットなどと称して、輸出仕様のイグナイタユニットと遠心ガバナーを含むシグナルジェネレター関連部品が販売されていますが、これも同様の理由なのです。
このキットを装着することによって、低回転域からスロットルを開けた瞬間直後のトルクの盛り上がり感は豪快なものになるのですが、チューニングパーツとしては疑問と言わざるを得ません。

どういうことか・・・

国内仕様車が販売されたとき、輸出仕様車にあった振動が激減し、はるかにスムーズになったことを指摘する人は少なくありませんでしたが、これは、点火能力の向上によるものです。
そう、国内仕様の点火システムは、緩やかな点火カーブの立ち上がり曲線はさておき、強い火花を発生し、より確実に点火するという点火能力そのものにおいてははるかに進化しているのです。
まあ、1980年当時の半導体技術と1994年時点でのそれは雲泥の差ですので、当たり前のことなのですが、つまるところ、点火システムの能力としては、国内仕様車の方がはるかに上ということです。
輸出仕様車のそれは、急激な点火カーブの立ち上り曲線によって、豪快な加速感は得られるものの、点火能力としては1980年のものに過ぎず、点火し切れないことによる失火率が高く、それによって振動も多いということです。
何を持ってチューニングとするか・・・

ではなぜ、国内仕様車があのような穏やかな進角カーブを持つのか・・・
実は、スズキというメーカーは、半導体制御技術が進み、デジタル制御によって任意の点火カーブを作れるようになって以降、それは主に油冷エンジン以降ということになりますが、このような緩やかなカーブを好んで使っています。
実のところ、油冷エンジンから現在に至るまで、スズキのマシンはこういう進角カーブにしているものが多いのです。
その理由は、大きなトルクを発生する大排気量ハイパワーマシンにおいて、スムーズで開けやすいトルク特性を持たせたいというものです。
そしてもう一点は、リッター当たり出力の大きくなったエンジン、すなわちハイコンプハイチューンドエンジンにおいて、中速域でのノッキングによるデトネーション回避のマージンを大きく取りたいということにあります。
これは、ノッキング回避のために、必要以上に空燃比をリッチ(濃く)に振りたくないという考えもあるに違いありませんし、それによって、スズキ大排気量車はおしなべて好燃費をマークするという事実も見逃せません。
常用域での点火時期をリタードする(遅らせる)ことによって、ノッキング限界を高め、そのマージン分を同領域の空燃比セットをリーン傾向(薄い傾向)に振ることで、トータルでの燃費を向上させようということです。


さて、きちんとロジックを理解できた方は、私がこれからどういうものを造ろうとしているのか、もうわかったでしょ・・・





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P1090323.jpg

P1090324.jpg

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