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カワサキZ用オリジナルSP-2フルパワーキットの開発 その9~遅角エリアを設ける


※ ウオタニSP-2(V.F.M)については、ファクトリーまめしばオリジナル商品として常時在庫することといたしました。
よって、お入用の方は、ファクトリーまめしばまでお問い合わせください。




カワサキZ用のオリジナルSP-2フルパワーキットを開発中ですが、その経過については、こちらにまとめてあります。
ここには、ノッキングによるピストン溶解のメカニズムと対策について及んでいますので、関心をお持ちの方は、どうぞじっくりと読破してみてください。
オリジナルSP-2の開発



これまでに、ノッキングを回避するための要素について解説してきました。

たとえば、空燃比を濃く振っていくことで燃焼速度を上げ、かつ、燃焼室内を気化潜熱によって冷却することで回避することができるのです。
しかし、きめ細かいプログラムによる空燃比制御ができるインジェクションシステムであれば、加速補正によってスロットルを開けたときだけ濃く振るということができるのでいいのですが、キャブレター、それも強制開閉式キャブレターの場合には、そもそも開ければ薄く振れるという宿命を負っていますので、事実上は現実的な手法ではなくなってしまいます。大きくスロットルを開けた瞬間直後にも12台の空燃比値を得ようとすれば、パーシャルから緩開では確実に9台になってしまい、かぶり症状に陥ること必至です。
FCRやTMRのように加速ポンプが装備されているキャブレターであれば、エンジンの吸入負圧に依存することなく、スロットルオープン時のみ燃料を噴射することができるので、多少はマージンが稼げますが、開ければ薄く出るという基本的な宿命から逃れることはできません。地球上に1Gの重力がある限りね・・・

また、吸入負圧が高まらない低中回転域にて、高いギアホールドのままワイドオープンしない、具体的には、カリカリッというノック音がしないように右手で加減しながら開けるということになりますが、これもストレスがたまるものです。
そもそも、ギアホールドのままワイドオープンして豪快な加速感を楽しむ、または、シフト操作を省略しながら、3速ホールドのままハイペースで峠道を快走する・・・こういうことを実現するために、ボアアップやハイコンプ化など高いコストを投じてエンジンチューニングするのです。
目的は、気持ち良く楽しく乗るため・・・かまわずにためらうことなくワイドオープンしたい・・・いちいちノック音にビクビクしながら探るように加減してスロットルを開けるなんて、実につまらないものです。

残る有効な手法はひとつだけです。
そう、点火時期を遅らせてやればいいのです。
そこで、各ショップオリジナルバージョンを含み、既存のSP-2やダイナ2000などにおいて、この低中速域でノッキングしないところまでダイヤルで遅角させてやった場合、今度は最大進角値が足りなくなって、高回転域で吹けないというジレンマに陥ってしまいます。
空冷2バルブエンジンにおいて、最低でも最大進角値を38度程度にしなければ、中高回転域でのパフォーマンスを発揮することができないのですが、中速域でのノッキングを抑制するため、点火時期調整ダイヤルで遅角方向に振って行ったら、今度は最大進角値が足りなくなり、上が吹けないし振動も多い状態になってしまうなどのジレンマを生じます。
トルクピークに向かって、これからカムに乗って勢い良くなってくるというところで、ひどくボケたフィーリングで惰性的に回るだけ・・・もう、まるでダメですね。せっかくお金をかけてチューニングしたのに・・・

そこで、ファクトリーまめしばバージョンの進角カーブはこのようなものにしました。
ちょっと奇抜に写るかもしれないのですが、ハイコンプハイチューンドエンジンにおいては、こういうカーブが絶対に必要です。

P1090013.jpg






3,000rpmあたりまで緩やかに進角したあと、いったん遅角させます。
そして、燃焼室内の圧力ピークが上がり過ぎないようにわずかに進角させながら、5,000rpm付近までの最も危険なゾーンをやり過ごし、エンジンの吸入負圧が十分に高まり、燃焼室内のガス流動も活発になり始める5,000rpm過ぎから、最大進角に向けてカーブを立ち上げるのです。
こうすることによって、必要な最大進角値を得ながらも、3,000~5,000rpmという、最も危険なゾーンのみを遅角させることでノッキングを回避します。
この遅角ゾーンでは、遅い点火時期によって、相対的な燃焼効率は落ちてしまうのですが、実際のライディングにおいては、ノッキングさせる心配がなく、遠慮なくワイドオープンすることができますので、結果としては有効にマシンを前進させることができます。つまり、実質的にはこっちの方がはるかに速く走れますし、フィーリングも上々となるのです。
また、圧縮の低いノーマルエンジンであれば、さすがにちょっとボケたタルいフィーリングになりますが、それなりにハイコンプチューニングしたエンジンでは、それを体感することはありません。
私のGS1207まめしば号は、すでに8年以上前からこのマップで走らせていますが、私のマシンに乗って、このエリアの点火時期が遅いようなタルさを感知して指摘したライダーは皆無です。


さて、オリジナルSP-2は、このハイコンプハイチューンドエンジン用のスペシャルと併せて、ノーマルエンジンに適したSTDカーブもインストールしてあります。
当然ですが、説明書にもこのように掲載していますよ。
このふたつの対照的とも言えるカーブを見比べてみてください。
圧縮比9未満のノーマルエンジンと11以上にもなるハイコンプハイチューンドエンジンでは、それぞれにマッチする進角カーブにこれくらいの違いが生じて当然です。
何事も思い切りが肝心・・・中途半端ではいけません。

P1090014.jpg






それぞれについては、このようにダイヤル設定で切り替えることができますので、現在はノーマルエンジンだけれど、いずれはエンジンチューンしたいという方でも、使うことができます。

P1090015.jpg







さて、ここからが本番、このスペシャルマップこそが、まめしばオリジナルSP-2の真髄となります。
キャブレターにTPSを装着し、SP-2ユニットに接続することによって、このような三次元マップ点火となります。
点火時期制御に、エンジン回転数にスロットル開度を加えてやります。
たとえば、高速道路を5速4,000rpmで定速巡航している場合、スロットル開度は5~10%程度となりますが、その時の点火時期は35度前後と相当に進角させ、燃焼効率を高めることで燃費とレスポンスを向上させます。
実に軽やかに巡航することができるのです。
ここで、TPSがない場合、点火時期は全開時のマップ(カーブ)に固定されますので、点火時期は25度前後となってしまいますが、この10度の差はとんでもなく大きいのです。
つまり、先に書いた、遅角させることでダルなフィーリングになることが懸念されるところですが、TPS装着による三次元マップでは、それすらも解決するのです。
スロットル開度の小さな領域では、点火時期を進めて効率とレスポンスを高め、最もノッキング発生が懸念される低中開度域でのワイドオープン時には、思い切って遅角させることでこれを防止し、高回転域に向かって再度進角させることで最大出力を遺憾なく発揮する・・・これが私の考える理想形です。

P1090017.jpg







見やすいようにマップを反転させてみます。
峠道の登り勾配立ち上がりにおいて、3速4,000rpmからビュッとワイドオープンした場合、赤線で示したようにマップ上を走ることとなります。
開け始めは早めの点火時期でレスポンスを高め、そこから開度50%までの間、急開によって空燃比値が薄く振れつつも大きな負荷がかかることでノッキングが生じるのを防ぐため、点火時期は遅角ゾーンを駆け下りていき、22度付近まで遅角させます。そして、エンジン回転の高まりとともに、出力を得るために再度進角していくのがわかるでしょう。
その他にも、エンジン回転数とスロットル開度を見ながら、実際の走行モードと照らしながら、その際にどういう風に点火時期が変化していくのか、このマップ上で想像をめぐらせてみてください。

P1090018.jpg








これは、STDモードの三次元マップです。
ノーマルエンジンでは絶対的な出力が小さく、チューンドエンジンに比較すれば、実走上のスロットル開度が大きくなる傾向になりますので、先のハイコンプハイチューンド用マップと比較して、進角ゾーンを開度の大きなところ、20%付近にしています。
この開度域がストリートでの常用域になるからです。
しかし、このマップをハイコンプハイチューンドエンジンに使った場合、開度40%でも相当に進角した状態になりますので、ノッキングの嵐に見舞われるおそれがあります。
あくまでも、圧縮比の低いノーマルエンジン向けということです。

P1090019.jpg







ちなみにこれは、ゼファー750用の進角カーブですが、これもまた4,000rpmから急激に進角カーブが立ち上がっているのがわかります。
ゼファー750の、4,000rpm付近から軽くシャープに勢い付くような爽快なエンジンフィーリングは、この進角カーブによって故意的に演出されたものということがわかります。それはそれで良いものなのですが、これをハイコンプハイチューンドエンジンに組み合わせた場合、ノッキングさせてしまうのは目に見えています。
ですので、ザッパー系エンジンをチューニングした場合においても、私のオリジナルSP-2を使うしかないということは明らかです。
チューンドエンジンのパフォーマンスをワイドオープンによってフルに発揮しつつ、エンジンブローを防止するためにはね・・・

P1090020.jpg






この、ウオタニSP-2のまめしばスペシャルバージョン(V.F.M)については、ご意見番のtsuruさんによって実走テスト中です。
夜な夜なテスト走行・・・これも修行・・・いや、全てのZユーザーのためです。
エンジンは、SOHCエンジニアリング製75mmピストンによって1,166ccもの排気量、圧縮比は11.5という、ストリートユースでは限界に近いビッグボアハイコンプとなっています。
従来、スタンダードのSP-2及びショップオリジナルバージョンでも、低中回転域からのワイドオープン時、ノッキング回避することができませんでした。

現状、どんな開け方をしても、「カリッ」とも言わないとのこと・・・
5速4,000rpmからガバ開け~OK
4速2,000rpmからガバ開け~OK
まあ、現時点では目論見どおりということです。
まだまだテストは続きます。

P1090008.jpg

P1090007.jpg







この、ウオタニSP-2のまめしばスペシャルバージョン(V.F.M)については、お盆休みの間に、約4,000kmにわたるロングツーリングにおいて実走テストを進めます。
街中でのユルユル走行から高速道路での開け開け走行に定速巡航、そして、峠道でのスポーティーラン、真夏の高気温も当然ですし、ウェット路面にも遭遇するに違いありません。
私のGS1207まめしば号にてすでに確認済のこのマップではあるものの、やはりテストを重ねることは重要です。
その結果を踏まえて、順調であれば、お盆明けに予約受付を開始し、9月上旬から中旬ころにデリバリー開始する計画です。


・予価(税別)
 SP-2フルパワーキット(V.F.M) 79,000円
 ユニットのみ 48,000円
※1 ゼファー750等のザッパー系マシン用もご用意できます。価格に変わりはありません。
※2 現状、Z用及びザッパー系マシンに装着されているSP-2フルパワーキットとは、ユニットの互換性がありますので、そのまま差し替えて使用することができます。
※3 CRキャブレターに対するTPS装着は、38,000円にて請負います。




※ お盆期間中の逃避行について・・・
8月8日から16日までの間、雲隠れすることといたしました。
その間、商品の発送などの対応はできなくなります。また、ご注文については、メール送信しておいていただければ、戻り次第に返信させていただきます。






1年余にわたってテストを続けて煮詰めたオリジナルオイル、いよいよデリバリーを開始しました。
詳細は、こちらをご覧ください。

ファクトリーまめしばオリジナルオイル、FM-1&FM-2のデリバリー





ファクトリーまめしば、新拠点へのアクセスは下記のとおりです。
・東名高速道路大井松田ICから5.5km、所要10分
・小田原厚木道路小田原東ICから5km、所要10分
・小田急小田原線栢山駅から徒歩5分

地図はこちらをご覧下さい。
新拠点の地図



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全て、実際に購入していただいた方々から寄せられたものについて、そのままを掲載したものです。


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その他、レデューサー、NGCエキゾーストシステム、SOHCエンジニアリング製ピストンキット&コンプリートエンジンなど、様々な部品をプロデュースしております。
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