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カワサキZ用オリジナルSP-2フルパワーキットの開発 その5~ノッキングを抑制するためのキャブセッティング


※ ウオタニSP-2(V.F.M)については、ファクトリーまめしばオリジナル商品として常時在庫することといたしました。
よって、お入用の方は、ファクトリーまめしばまでお問い合わせください。





カワサキZ用のオリジナルSP-2フルパワーキットを開発中ですが、その経過については、こちらにまとめてあります。
ここには、ノッキングによるピストン溶解のメカニズムと対策について及んでいますので、関心をお持ちの方は、どうぞじっくりと読破してみてください。
オリジナルSP-2の開発

ハイコンプハイチューンドエンジンに重大なトラブルを招くノッキング、これを防止するために必要な要素として、下記を挙げたところです。
今日からは、これに基づいて、実際のマシンセッティングをどうすれば良いのかという具体策について書いてみようと思います。

1.燃料のアンチノック性を高める
 自発火点の高い、つまりオクタン価の高い燃料を使うことによって、断熱圧縮された未燃混合気(エンドガス)の自発火を抑制することができます。

2.燃焼室内温度を低く抑える
 断熱圧縮されて温度が上昇する未燃混合気(エンドガス)を、少しでも冷やすことができれば自発火を抑制することができます。

3.正常燃焼の燃焼速度を高める
 未燃混合気(エンドガス)が断熱圧縮されて温度が上昇し、自発火点に達する前に正常燃焼を終えることができれば、未燃混合気(エンドガス)が自発火することはない。

4.未燃混合気(エンドガス)断熱圧縮の程度を抑制する
 未燃混合気(エンドガス)の断熱圧縮を抑制すれば、自発火点に達しなくなります。



まず今日は、ハイコンプハイチューンドエンジンにとって適正なキャブセッティングとはどういうものかについて考えてみましょう。
ここで関連してくるのは、上記の「2」と「3」です。

まず「2」について、理論空燃比である14.7よりも空燃比値を濃くすれば、燃え残ったガソリンは気化潜熱によって燃焼室内を冷却する作用を持ちます。
この、気化潜熱によって奪うことができる熱量は相当なレベルになりますので、ノッキングを防止する上においては極めて有効な手段となるのです。
たとえば、インジェクションのマシンの場合、きめ細やかに空燃比値や点火時期などをコントロールすることができますので、大きな出力を要しない巡航時などにおいては、理論空燃比付近、かつ点火時期も進めた状態にして燃料消費率を稼ぐようにセッティングされていますが、大きくスロットルを開けた際の加速補正時や全開ピーク域などでは、12付近の濃い状態になるようにしています。ましてや、ターボエンジンなどでは、これよりももっと濃い、11近辺になるものも少なくありません。
それは全て、高負荷状態におけるノッキングを回避するためであることは言うまでもありません。
燃費が良いというのは大切な要素ですが、それよりも、エンジンブローを防止すると言うことの方が、はるかに重要であるのは言うまでもありません。
そこで、インジェクション式であれば、それぞれの走行モードに合わせたセッティングをすることができますのでいいのですが、キャブレター、それも強制開閉式キャブレターの場合、スロットルを開けた直後には軽い空気が先に流入し、極めて薄い空燃比の状態になるというのが宿命ですので、あらかじめ、パーシャル域でかぶらないギリギリの状態にしておかなくてはなりません。
そうは言っても、キャブレターセッティングをうまく煮詰めることによって、全体的に濃く振ってもさして燃費悪化がない状態にすることは可能です。
私のGS1207にしても、私の周辺の変態おやぢ達のマシンにしても、通常のツーリングモード走行なら18~20km/L程度をマークしますし、峠や高速道路にて開け開け加速モードで走っても、15km/Lを切ることはありません。
実のところ、キャブセッティングを多少薄く振ったからといって、そんなに燃費が良くなるものではありませんし、開けてもビュッと加速しないほどの薄い状態のマシンは、加速するために余分に開けなくてはなりませんので、逆に燃費は悪化します。
この類のことは、もう、散々にテストしてきていることですので、断言します。

通常の方は、空燃比計などを装備していませんので、数値を見ながらセッティングをすることは現実的ではありません。
でも、そんなに難しいことではありません。
加速しようとした際に、ビュンと勢い良く加速する状態を、体感で煮詰めていけば、それは嫌でもノッキングを避けるための適正な状態になっています。
最悪なのは、CR、FCR、TMRなどの強制開閉式キャブレターを装着しているにもかかわらず、街乗りの流すような走り方でもプラグがきれいに焼けているような状態です。
また、こういう状態であれば、加速しようとして大きくスルットルを開けた際に、しばらくの間、トルクが乗ってこないようなフィーリングになるはずですが、このとき、空燃比値は17台などという、ノッキング防止という意味では極めて危険な状態になっています。
ノーマルエンジンならまだしも、ハイコンプエンジンにおいては、そのリスクは相当なものになります。
ゆっくり開けてもパリッとスムーズに回り、そこから開ければビュンと加速する、そういう状態を作るべく努力すべきですし、それによって、良い燃費と気持ち良いフィーリングを得つつも、ノッキングを防止するということになるのです。

CRの場合狙うべきパーシャル時の空燃比は10台、加速ポンプを装備するFCRやTMRでも、せいぜい11台前半です。そして、そこからスルッと開けた直後は、最大でも14台前半までにしておかないと、きちんとした加速はしてくれませんし、ノッキングのリスクが急激に高まります。
また、加速ポンプを装備するFCRやTMRであれば、ポンプは最大限に効かせておくのが賢い方法です。
パッと開けた瞬間にだけガソリンをピュッと吹いてくれるのですから、これが燃焼室を有効に冷却してくれるのです。
反面、これを持たないCRキャブレターの場合には、細心の注意が必要です。
なにせ、大きく加速しようとしてスロットルをガバッと開ければ、その瞬間直後には軽い空気が先に入ることによる急開リーンの状態に陥りますので、この時にノッキングリスクが急激に高まります。


もうひとつ、キャブセッティングを濃くすることによるメリットがあります。
それは、「3」に関連すること・・・
このグラフをご覧ください。

P1080978.jpg







これを見るとわかるとおり、空燃比値12のときが、最も燃焼速度が速くなっています。

3.正常燃焼の燃焼速度を高める
 未燃混合気(エンドガス)が断熱圧縮されて温度が上昇し、自発火点に達する前に正常燃焼を終えることができれば、未燃混合気(エンドガス)が自発火することはない。

そう、これも、ノッキングを起こさないためには、極めて有効かつ根本的な方法なのです。
また、この値は、最もエンジンが出力を発揮するための出力空燃比値とされているものですが、その理由は、この速い燃焼速度にあるのは言うまでもありません。


もう一度グラフを見てください。
空燃比値12の時と比較して、ガソリンと空気が完全燃焼する理論空燃比値である14.7近辺では、相当に燃焼速度が遅くなっています。それは、かぶらないギリギリである10台前半のときよりもずっと遅いのもわかります。
ましてや、最も燃費が良くなるとされている経済空燃比値である17近辺にいたっては、ハイコンプハイチューニングエンジンにとっては自殺行為と言っても過言ではないほどに遅い・・・その遅い火炎伝播は、既燃ガスの燃焼による膨張圧が、燃焼行程終盤にさしかかっても未燃混合気(エンドガス)を自着火させるに十分なほど圧縮するのです。その結果、ピストン溶解という悲劇が・・・
強制開閉式キャブレターにおいて、速く大きく開けた直後にツキが悪いなと感じる場合、その時の空燃比値は、まさしくこの17近辺にあるというのが現実です。


次に、これを見てください。
左から、GS750、GS550、GS400のデータですが、空燃比の項目には「12」と書かれています。これは、全開時の値ですが、高負荷時のノッキングを防止するために、ノーマルエンジンであっても、こういうセッティングがされています。

P1080984.jpg







これは、なにもGSシリーズのみのことではありません。
ほとんど全てのマシン、それも二輪、四輪を問わずに、全開空燃比値は11台後半から12台後半になっているのが普通です。
たとえば、高出力高効率を誇る最新マシン、インジェクション式であるのは言うまでもありませんが、これも同様です。
私が実際に計測確認したものでも、たとえば、ヤマハYZF-R1の全開空燃比値は「12」です。また、スズキGSXR1000のそれは「12.8」です。
BMWのS1000Rも「12.8」です。
いくら、最新の燃焼室形状を持ち、高度なエンジンマネジメントを行っていたとしても、やはりこうしておかないとノッキングによるブローの危険性があるということです。
ましてや、開けると薄くなるのが宿命、それも加速ポンプすら持たないCRキャブレターを装着している、それも40年近くも前に設計された空冷2バルブエンジンなのですから・・・

とにかく、ノッキングを防止するためには、キャブセッティングは重要です。
加速時の空燃比値は11台中盤から13台前半までを狙うべきです。体感上、スロットルを開ければビュンと加速する、最も前に出る状態、そのためには、パーシャル空燃比は10台前半から中盤になる、いや、そうならざるを得ないというのが現実です。

その状態は、ガソリンの気化潜熱が燃焼室を効率良く冷却し、加えて、最も早い燃焼速度によっていち早く正常燃焼を終えてノッキングを起こすいとまを与えません。
おまけにもうひとつ、速い燃焼速度によって、要求点火時期が遅くなる・・・つまり、点火時期を遅らせることができるようになるのです。それによって・・・・

気持ち良く加速することができ、かつエンジンにもやさしく安全な状態、それ以外の選択肢などあり得ないというのが私の考えです。


さて、次回は、なぜ、私がオリジナルマップをインストールしたSP-2を作るのか、いよいよ核心の点火時期に行きましょうか・・・




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