Entries

カワサキZ用オリジナルSP-2フルパワーキットの開発 その4~なぜノッキングが起こるのか


※ ウオタニSP-2(V.F.M)については、ファクトリーまめしばオリジナル商品として常時在庫することといたしました。
よって、お入用の方は、ファクトリーまめしばまでお問い合わせください。




このシリーズ、実に大きな反響をいただいています。
中には、燃焼学の専門家からの助言などもいただき、門外漢の私にとっては、恐縮しつつも有難きことと感謝しております。
また、新たにカテゴリーとして設定しましたので、シリーズ記事はこちらにまとめることとしました。
オリジナルSP-2の開発



最新SS系マシンは、1000ccの排気量から170ps以上の出力を発揮し、設定された圧縮比も12:1以上となっています。
かたや、カワサキZなどに代表される空冷4気筒エンジンでは、いくらハイチューンを施したとしても、1000ccで120ps程度がいいところ・・・なのにピストンを溶かしてブローさせるのです。
そもそも、エンジン本体の造りや制御技術のレベルが違うからですし、それは、進化そのものなのですから、ある意味では当然のことです。
しかし、私たちは、古い設計の空冷4気筒エンジンのチューニングを楽しんでいるのですから、この問題に正面から取り組むしか道はない・・・

ハイコンプハイチューンドされた高出力エンジンにおいて、ノッキングと、それに起因するピストン溶解を防ぐ手法などというものは、すでに理論としては確立されているものです。
現に、その手法を駆使した結果、高圧縮高出力化が進んだ近代のエンジンにおいて、そんなトラブルを生じることはありません。

しかし多くの場合、
「いくら理屈がわかっていたとしても、それを古いエンジンに、目の前にあるオレのZにどうやって取り入れて形にすればいいの・・・そんなの無理なんだから、理屈を知っていても役に立たないよ・・・」
などと悲観的になり、理論そのものに目を向けない傾向があるように感じます。
たとえば、四輪チューニング界では、ターボやスーパーチャージャーなどを付加することによって大幅に出力を上げるというチューニングが一般的ですし、コンピューターチューニングなども進んでいますので、理論的なことに関して、作り手側だけではなく、ユーザー側の知識や理解度も高いものがあります。
それに比して、二輪の、特に古いマシンをいじっている世界では、どうにも・・・
しかし、理屈がわかっていなければ有効な対策も講じようがないというのも事実ですし、この対策は、作り手だけの問題ではなく、乗り手側も、マシンの扱いという面において行うことができるのですから、知っておくべきことと考えています。


ちょっと前置きが長くなりました・・・
話を戻しましょう。

先日の記事に書いたとおり、ピストン溶解の原因は、ノッキングによってピストンや燃焼室の温度境界層が破壊されることにあるのですから、対処すべきはノッキング、とにかくノッキングさせないということに尽きます。
そのためには、ノッキングが発生するメカニズムとプロセスについて理解を深める必要があるのは当然のこととなります。
このノッキングの原因については、この記事を読んでいる多くの方々も、なんとなく断片的には知っている、または、聞いたことがあるのではないかと思うのですが、きちんと理解しているのか・・・そうでなければ、有効な対策を的確に施すことはできません。


・燃焼室内における正常な燃焼は、爆発ではなく、あくまでも燃焼である

内燃機関の燃焼行程においては、エンジンの圧縮上死点手前近傍において、点火プラグに火花を発生させ、これによって周囲の混合気に火が着き、その後、燃焼室内の隅々にまで燃え広がるという現象が起きています。
これは、あくまでも燃え広がるという燃焼であって、瞬時に炸裂するような爆発ではありません。
たとえば、紙に火を着けた場合、着火した場所から周辺に向かって炎が広がって行きますが、このような燃焼ということです。
また、花火などに使われる火薬は燃焼するのですが、爆弾に使われる爆薬は爆発します。この爆薬の爆発は正式には「爆轟」と言います。
この爆轟の英表記はデトネーション・・・
つまり、ノッキングとは、本来は燃焼すべきところ、爆薬の爆轟(デトネーション)に類似した現象が起きることによって生じるものということになります。
燃焼の伝播は熱伝導によって行われますが、爆轟の伝播は爆轟波によって行われるという大きな違いがあり、前者の伝播速度は、最大でも毎秒数百メートルであるのに対し、後者のそれは、音速をはるかに超える毎秒数千メートルに達することから、衝撃波を伴うものとなります。これが温度境界層を破壊する・・・

では、どのような理由で爆轟(デトネーション)類似の現象が起きるのでしょうか。

この図をご覧ください。

P1080977.jpg





点火プラグによる放電火花を端緒として燃焼が始まり、これが燃焼室全体に順次拡大するとき、その伝播速度は毎秒数十メートルであり、この燃焼による圧力上昇も連続的です。
しかし、この正常な火炎伝播による既燃高温ガスの膨張によって、未燃混合気(エンドガス)は圧縮されて(断熱圧縮)温度が高まり、自発火点に達してしまうことがあります。
この場合の燃焼は、正常燃焼とは異なり、未燃混合気(エンドガス)全体がほぼ同じ状態に達しているので、ほとんど同時に、一気に燃焼してしまうのです。
この燃焼の燃焼速度は毎秒数百から1,500メートルと音速レベルに達しますので、これが衝撃波となって燃焼室内を不規則に往復することとなるのです。
これが、温度境界層を破壊し、ピストンや燃焼室内の溶解を引き起こす正体、正犯人ということです。

これを防止するための要素としては、下記が挙げられます。

1.燃料のアンチノック性を高める
 自発火点の高い、つまりオクタン価の高い燃料を使うことによって、断熱圧縮された未燃混合気(エンドガス)の自発火を抑制することができます。

2.燃焼室内温度を低く抑える
 断熱圧縮されて温度が上昇する未燃混合気(エンドガス)を、少しでも冷やすことができれば自発火を抑制することができます。

3.正常燃焼の燃焼速度を高める
 未燃混合気(エンドガス)が断熱圧縮されて温度が上昇し、自発火点に達する前に正常燃焼を終えることができれば、未燃混合気(エンドガス)が自発火することはありません。

4.未燃混合気(エンドガス)断熱圧縮の程度を抑制する
 未燃混合気(エンドガス)の断熱圧縮を抑制すれば、自発火点に達しなくなります。


つまり、この4つの要素を実現するために、エンジン周辺の各設定を合わせ込むこと、つまりセッティングを施すことによって、相当なレベルで防止することができます。
また、チューナーレベルでは、燃焼室形状を始めとする、そのエンジン本来のアウトラインを変更することは現実的ではありませんので、吸気系、点火系、排気系などの周辺機器の設定やセッティングによって、上記の4つの要素を少しでも満たすことが、ピストン溶解を防止する具体的方策ということになるわけです。

次回は、この具体的方策について書いてみましょう。




1年余にわたってテストを続けて煮詰めたオリジナルオイル、いよいよデリバリーを開始しました。
詳細は、こちらをご覧ください。

ファクトリーまめしばオリジナルオイル、FM-1&FM-2のデリバリー





ファクトリーまめしば、新拠点へのアクセスは下記のとおりです。
・東名高速道路大井松田ICから5.5km、所要10分
・小田原厚木道路小田原東ICから5km、所要10分
・小田急小田原線栢山駅から徒歩5分

地図はこちらをご覧下さい。
新拠点の地図



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


にほんブログ村 バイクブログ バイク カスタムへ
このアイコンをポチッとネ
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
新しくスタートする新生ファクトリーまめしばに、皆様の応援クリックをよろしくお願いいたします。


↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まめしばスペシャルパーツのインプレ集は下記リンク先を参照ください。
全て、実際に購入していただいた方々から寄せられたものについて、そのままを掲載したものです。


・Mノズル
価格:1個4,000円


・CR-Mキャブレター
価格:1機 165,000円~


・強化フロントアクスルキット
価格:1セット 40,000円


・V-UP16
価格:1個 26,000円


・マルチスパークアンプ(MSA)
価格:1個 38,000円


・ルブロスプロメディック(オイル添加剤)
価格:1L 8,000円


その他、レデューサー、NGCエキゾーストシステム、SOHCエンジニアリング製ピストンキット&コンプリートエンジンなど、様々な部品をプロデュースしております。
いずれも、自信を持ってお勧めできるものばかりです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ファクトリーまめしばスペシャルパーツのリンクはこちらです


ファクトリーまめしばスペシャルパーツ

これらの部品や作業等に関する各種お問い合わせは、
mameshiba198★gmail.com(★に@を入れてください)
までどうぞご遠慮なくメールをお送りいただくか、直接お電話をください。



〒250-0852
神奈川県小田原市栢山(カヤマ)2925-3
ファクトリーまめしば
TEL 090-3342-1234
FAX 0465-46-7041
mameshiba198@gmail.com


拍手もどうぞよろしく!!!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

スポンサーサイト

ご案内

プロフィール

mameshiba198

Author:mameshiba198
FC2ブログへようこそ!

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

全記事表示リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
車・バイク
6位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
バイク
1位
アクセスランキングを見る>>

カテゴリ