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カワサキZ用オリジナルSP-2フルパワーキットの開発 その3~なぜピストンが溶けるのか


※ ウオタニSP-2(V.F.M)については、ファクトリーまめしばオリジナル商品として常時在庫することといたしました。
よって、お入用の方は、ファクトリーまめしばまでお問い合わせください。




ここから数回にわたり、「話はそんなところから始まるのか」と思われるような記事が続きますが、それほどに私はこれについて真剣であり、単なる思い付きや気分でオリジナルバージョン、それも、私自身がユーザーではないカワサキZ用を製作するのではないということとご理解ください。
大風呂敷と言われようがなんだろうが、私は、ハイコンプハイチューンドZに乗る全てのユーザー、いや、現在はノーマルエンジンだけれど、いずれはハイチューンドZに仕上げたいと考えている全てのユーザーに使ってもらうべく作るつもり・・・そのためには、きちんと説明して理解していただくというのが私のスタンスです。

私がカワサキZ用オリジナルSP-2を製作する目的は、これまでにも書いたとおり、ハイコンプチューニングされたエンジンにおいて、ノッキングを原因とするピストン溶解によるエンジンブローを防止するというものです。

ここでまず、なぜノッキングによってピストンが溶けるのかということについて書いてみましょう。

いや、ちょっと待ってください。
それを知るためには、アルミニウム合金で作られたピストンや燃焼室が、高温の燃焼ガスにさらされながらも、なぜ溶けないのかということについて考えるべきです。
溶けるべきものがなぜ溶けずにエンジンとして成立しているのかという、その理由を知ることが先です。
そして、その理由によって溶けるべきものが溶けずにいるところ、その理由が崩壊することで溶けるべくして溶ける・・・これがピストン溶解の真実ということです。
その理由とプロセスを知らずして、溶かさないための対策などできるはずがありません。

RIMG7334_20130614142657.jpg






各種炭化水素の混合物であるガソリンが、適正な混合比にて空気と混合された場合、その燃焼温度は、摂氏2千度に達します。
簡単に言えば、回転中のガソリンエンジンの燃焼室内では、2千度の炎が燃え盛っているということです。

ところで、ピストンやシリンダーヘッドはアルミニウム合金にて製作されていますが、アルミニウムの融点は摂氏660度です。

溶けちゃうじゃないか・・・

そう、ピストンやシリンダーヘッドは、本来は溶けて然るべき温度にさらされているのです。
また、鍛造だろうが鋳造だろうが、アルミの融点には変わりはありませんので、鍛造ピストンだから溶けにくいなどということも全くありません。そんなの関係ないのです。
鍛造が有利なのは、溶けにくいという意味ではなく、融点以下の高温下における熱強度が高いという点にあります。つまり、熱せられた際の機械的強度に優れるということです。
鍛造ピストンと鋳造ピストンを並べて、同じ条件下でバーナー加熱すれば、同じタイミングでトロリと溶けます。
ですので、「鍛造ピストンだからデトネに強い」などという話は、全くのウソです。
仮に、どこぞのチューニング屋が「鍛造はデトネに強い」などとのたまったのであれば、その人は何もわかっていないということです。

ちょっと脱線しました。

2千度の炎にさらされながら、融点660度のアルミニウム合金がなぜ溶けないのか・・・
それは、ピストンや燃焼室が、温度境界層(熱境界層)によって保護されているからです。
たとえば、紙コップは、ガスの炎にていとも簡単に燃え始めてしまいますが、水を入れた紙コップをガスライターで炙っても、火は着きません。
これは、内側が水によって冷却されていることによって、炎にさらされている面との温度差が大きく保たれ(大きな温度勾配)、炎にさらされている面に温度境界層が生じることで、紙の発火点に達しないからです。
また、熱い風呂に入った直後には熱さを感じるものの、しばらくジッとしていると、次第に熱さを感じなくなってくるというのも、体温と湯温の温度差によって、皮膚表面に温度境界層が生じるからです。

ピストンや燃焼室もこれと同様に、冷却水やエンジンオイル、または冷却風によって冷やされることで、燃焼炎にさらされている面に温度境界層が生じるのです。
たとえば、2千度の燃焼炎にさらされていても、この温度境界層によってアルミニウム表面は150度から200度付近に維持されており、これによって溶けないのです。

では、なぜピストンが溶けて棚落ちし、末にはエンジンブローするのか・・・

回転中のエンジンがノッキングを起こすと、
「チリチリッ」「カリカリカリッ」「カンカンッ」
などという独特の異音を生じるのはご存じでしょう。
これは、点火プラグを火種とする本来の正常な燃焼、火炎伝播ではなく、いくつかの理由原因によって、燃焼室内のあらぬところで混合気に火が着き(自己着火)ます。この燃焼は、正常な燃焼と比較するとはるかに速い燃焼速度を持ちますので、その際には衝撃波を生じ、それがピストンヘッドや燃焼室壁を叩くことでノッキング音が生じるのです。

この衝撃波は、2千度の炎からピストンヘッドや燃焼室壁を守っている温度境界層をいとも簡単に破壊してしまいます。衝撃波ですから・・・
たとえば、じっとしていると熱く感じなかった熱い風呂、でも、体を動かすと温度境界層が壊れてしまい、とたんにアチチッとなるのと同じです。

ノッキングによるピストン溶解について、俗に「デトネーション」と表現されます。また、ちょっと気取ったチューナーは、「デトネ」とか「デトッた」などと言ったりしますが、これはあまり正確な表現ではありません。少なくても、内燃機工学における正式な表現ではないのです。

・デトネーション(detonation、爆轟)
気体の急速な熱膨張の速度が音速を超え衝撃波を伴いながら燃焼する現象

デトネーションの本来の意味は上記のようなものです。まあ、爆薬が炸裂する際に生じるような現象を指すのが本来なのです。爆弾によって建物のガラスや壁などが破壊されるようなイメージでしょう。
ですので、
「点火プラグによる放電着火に起因する正常燃焼とは異なる不規則な自然着火(自己着火)を生じ、それがデトネーションのような衝撃波を生むノッキング現象が発生することによって温度境界層を破壊し、これによってピストンヘッドや燃焼室が、その融点を超える温度を持つ燃焼炎にさらされることによって溶解する」
とするのが正確な表現に思います。


なにやら難しい話と思われるかも知れませんが、こんなことは、すでに100年近くも前に基本理論が構成されていることですので、いまさら何をという話に過ぎません。
しかし、本当にきちんとしたものを作るためには、こういう基本的なプロセスを踏まえることが大切と私は考えています。




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