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Z1000MK2、1105ccチューンドエンジンを分解する


一緒に遊ばせていただいている横浜市在住のMさん、73mmハイコンプピストンにてボアアップチューニングされたZ1000MK2に乗っています。
以前、ちょっと乗せていただいたこともあるのですが、1105ccの割にはおとなしいというか、パワーがありません。
何台ものチューニングマシンを乗った経験があれば、およその相場というのがわかるもの・・・

またここ最近になって、白煙を吐くようになり、オイル消費も多いというのが悩みだったこともあり、不安要素を一掃すべく、SOHCエンジニアリングにてコンプリートエンジンを製作することとなりました。
使うのは、この夏に新作する、Z用73mmピストンです。

今はすでになき、某有名ショップにて製作されたというエンジンです。以降の走行距離は1万8,000km程度ということですが、Mさんは現状にてどういう状態になっているのか確認したいということでしたので、ファクトリーまめしばにてエンジンを降ろすことにしました。

仲間内ですので、みんなで集まってワイワイ言いながら作業開始です。

P1080826.jpg






ヘッドカバーを開けてみたところ、入っているカムはヨシムラST-2でした。
が、しかし・・・
吸気カムが遅れる方向にひとコマずれています。これではパワーが出るわけもありません。
でも、ひとコマくらいずれていても、エンジンはかかって走れてしまうのですからやっかいと言えばやっかいです。
普通のユーザーは、客観的な比較対象を持ち得ず、1105ccにヨシムラST-2でもこんなものかと思ってしまいますので、異常に気付かないまま走り続けてしまうということです。

P1080827.jpg






キャブ、マフラーなどを取り外し、あとはエイヤとエンジンを降ろすだけです。
まあ、頭数がいれば、あっという間のこと・・・

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降ろしたエンジンは、当日のうちに厚木のSOHCエンジニアリングに持ち込み、ここで渡辺さんの解説をいただきながら検証することにしました。

P1080829.jpg







シリンダーを抜いてみました。ライナー下部のアタリがきついですね。
これは、この部分だけピストンクリアランスがきつくなっているのですが、なぜそうなるのか・・・

P1080832.jpg






実はこのエンジン、途中で10年ほど保管期間があったとのことですが、懸念されていたことが現実になっていました。
矢印で示した部分は、錆による腐食です。

P1080831.jpg






環境にもよりますが、数年以上にわたって走らせなかったエンジンでは、こうなっていることが珍しくありません。
たとえば、生産から30年経過しているにもかかわらず、走行が数万km程度という極上車があったとします。Zなどであれば、相当なお値打ちものということになりますが、30年で数万kmということは、走らせずに保管していた期間が相当にあったということですので、ライナー内部は腐食しているのが普通です。
まあ、激しいオイル上がりに見舞われること必至です。
つまり、程度極上中古車といっても、きちんと走らせるためにはエンジンオーバーホールが必要ということです。



入っていたピストンは、アリアスの73mmでした。
走行距離の割には、トップリング、セカンドリングのそれぞれの下部への吹き抜けが多いです。
ピストン自体は相当なハイコンプ仕様なのですが、これだけ吹き抜けが多ければ、パワーが出るはずもありません。

P1080836.jpg







ライナーの片肉は平均で1.2mmでしたが、73mmピストンをボーリングだけで組み付けしようとすればこうなるしかありません。
Zエンジンでは73mmまではボーリングオンリーで組み付けできるというのが巷の認識ですが、片肉1.2mmでいいはずがありません。
メーカーが表記する「ボーリングオンリー」の意味は、「組むことはできますよ」という意味に過ぎませんので、きちんとしたエンジンにするためには、オーバーサイズのライナーに交換することが必要となります。
そして、その判断は、ユーザー自身、またはエンジンチューナーが、その責任において行うべきことです。
Z2に69mm、Z1やMK2などに73mm、ましてやザッパー系738ccエンジンに69mmをボーリングオンリーで組むことについてのリスクを考えた方がいいです。

P1080833.jpg








ライナーが薄くなることの問題は多々あるところ、先にご紹介した、下部のアタリがきつい、それは、この部分のクリアランスが狭すぎたことによるものと書きましたが、薄いライナーではこうなるしかないというのが現実です。
ボーリングやホーニングなどの作業をするにあたり、周囲をアルミのシリンダーに抱かれている部分と比較すれば、その下に出ているスカート部分は、周囲に抑えるものがありませんので、「加工時の逃げ」が生じます。これによって、狙った寸法よりも内径が小さく仕上がってしまうのです。
そしてこのことは、ライナーの厚みが薄くなればなるほどに顕著になるのですが、残厚1.2mmなどという薄さになると、もう、相当に問題になるレベルとなります。
これは、熟練した加工者の手加減によって多少はクリアすることができますが、基本的には如何ともし難いことです。
渡辺さんは言います。
「もう、1.2mmなんて薄さになると、きちんとした仕上がり寸法にはできない・・・」
渡辺さんほどの腕をもってしてもそうなのですから・・・

このシリンダーは、スカート部分が加工時の逃げによって仕上がり内径が小さい状態になっていたことによってピストンとのクリアランスが狭くなり、こういったきついアタリとなっているというわけです。
このアタリのきついところで抱き着いてしまい、焼き付きにつながったり、薄くて強度の落ちたライナースカートが、ピストンとのきついアタリによる衝撃で割れたりという重大なトラブルに発展するおそれが多分にあるということです。


トップリングの合口隙間は0.5mm以上もあります。
走行距離からしても、これはもともとがこのような状態だったものと思われます。
つまり、既定のピストンクリアランスになるようにシリンダーを仕上げ(こうせざるを得ない)、セット付属されたリングを入れた結果の隙間ですので、どうしようもないということです。
まあ、これは既製品のピストンキットを使っている限り、妥協せざるを得ない結果ですが、この過大な合口隙間によって失うものは少なくありません。
ブローバイガス増大によるクランクケース内圧の上昇、吹き抜けによるパワーロス、オイル消費増大・・・
ちなみにSOHCエンジニアリング製ピストンキットは、この合口隙間が0.1~0.2mmになるように製作されています。
既定のピストンクリアランスを確保しつつ、理想的なリング合口隙間を得るためには、高い公差精度でリングを製作し、得たい隙間になるシリンダーボア径を決め、それに対して規定のクリアランスになるピストンを製作するということが必須となりますが、出来合のピストンキットを使う限り、それは夢想に過ぎないのが現実です。

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セカンドリングは、すでに摩耗が進み、摺動面がベタアタリになってしまっています。
セカンドリングというのは、下方に向かってテーパー断面になっていて、これで余分なオイルを掻き落とすという役割を持っているのですが、摩耗によってベタアタリになってしまえば、この役割を果たすことができなくなります。
オイル消費増大という結果が待っているということ・・・
ちなみに、このリングは日本ピストンリング製ですが、まあ、コストをケチッたのか、相当にグレードの低いリングということです。

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さて、このエンジンはこれから全分解され、必要な補修を行いつつ、コンプリートエンジンとして復活することとなります。


ところで現在、ハイコンプハイチューニングされたZエンジンのパフォーマンスを最大限に発揮させつつ、デトネーションによるエンジンブローを未然に防止するための点火マップを開発中です。
現在、ウオタニさんに、オリジナルマップをインストールしたSP-2ユニット特注製作の打ち合わせをしているところです。
これは、すでにSP-2を装着しているマシンであっても、ユニットのみ差し替えることで使用することができるものにするつもりですし、ノーマルエンジンに対応したマップも併せて入れるつもりですので、現在はノーマルだけれど、いずれエンジンチューニングもしてみたいという方でも使用できるものにします。

貴方のチューンドZ、5速4,000rpmあたりからワイドオープンしたり、峠の登り勾配立ち上がりで3速4,000rpmあたりからワイドオープンしたりすると、「カリカリッ」とノック音が出たりしませんか。
そのまま走り続けると、デトネーションによってエンジンブローさせます。
これは、点火時期調整のダイヤルで遅角させていっても解決することはできません。
進角の立ち上がりカーブの問題ですので、マップ自体を違うものにしなければなりません。
ちなみに、私のGS1207は、11.8のハイコンプ仕様ですが、どんな開け方をしても、カリッとも言いません。
私のオリジナルマップだから・・・

いずれ、然るべき時期が到来したならば、なぜ私がこれを企画制作しようと考えたのか、なぜ既存のものではだめなのか・・・それらの理由についてカッチリと解説しようと考えています。
ハイコンプハイチューンドZをストリートで安心してワイドオープンするためには、まめしばオリジナルSP-2でなければならない・・・そう断言します。
そうでなければ、Zユーザーではない私がこんなものを作る理由がないでしょ・・・








※ 7月19日から21日までの間、私はちょっと雲隠れしますので、ファクトリーまめしばは休業です。
各部品等の発送作業もお休みいたしますので、ご了承ください。
なお、ご注文については、メールを送っておいていただければ、帰宅次第に返信いたします。





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詳細は、こちらをご覧ください。

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・東名高速道路大井松田ICから5.5km、所要10分
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地図はこちらをご覧下さい。
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