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GS944復活プロジェクト その1(プロローグ)

伝説のマシン、GS944を復活させる。いや、レプリカを作るのではない、復活だ・・・



1970年の米国において、大気浄化法改正法(通称マスキー法)が成立した。
その、具体的骨子は下記のとおりである。

・1975年以降に製造する自動車の排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の排出量を1970-1971年型の1/10以下にする
・1976年以降に製造する自動車の排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の排出量を1970-1971年型の1/10以下にする

これによって、それまで2ストローク専業メーカーであったスズキ自動車は、社運をかけて4ストロークエンジンの開発を余儀なくされたのである。
1975年以降、アメリカでバイクを売ることができなくなる・・・それは、当時の市場を考えた場合、排除撤退を意味する。
そしてスズキは、絶対的な信頼性、耐久性を与えなくては、最後発メーカーとして市場に食い入ることはできないとの背水の陣のもと、社内エース級のエンジニアを集結し、初の4ストロークエンジンを搭載するGSシリーズの開発に着手する。
その経過は、下記のリンク先に詳しいので、ぜひご覧になっていただきたい。

GSというマシンは単なるニューモデルではない、スズキが、その社運をかけて生み出した渾身の結晶なのだ。


GS開発物語 その1
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-kaihatu-story-1.html
GS開発物語 その2
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-kaihatu-story-2.html
GS開発物語 その3
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-kaihatu-story-3.html

GS750発売時の雑誌紹介記事等
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-750-hyouka.html
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs750-nainenkikan.html

開発者インタビュー記事
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-kaihatu-kiji-1.html
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-kaihatu-kiji-2.html
http://www.iom1960.com/gs-kaihatu/gs-tukutta-otokotati.html





1974年5月、ポップヨシムラこと吉村秀雄は、妻とともに米国に渡った。
ヨシムラモータースは、国内における二輪及び四輪のレースにおいて、ホンダを圧倒する成績を収めるなど、すでにトップチューナーとしての地位を確立していたにもかかわらず、それを投げ打って乗り込んだ、まさに背水の陣、宣戦布告というにふさわしい挑戦だった。
そして、ポップの作る集合マフラーはアメリカ人を虜にし、売れに売れた。
順調かと思われた「YOSHIMURA R&D」だったが、パートナーの裏切りによって会社を乗っ取られ、渡米からわずか7か月後の1975年1月、丸裸の状態で帰国した。

その3か月後の1975年4月、家族全員の反対を振り切って、ポップは単身渡米した。
その時のことを、ポップはこう語っている。
「アメリカに向かう飛行機の中で、これで俺が失敗すれば、もう自爆しかないと思いました。特攻隊の心境です。」
このとき、ポップは52歳である。52歳にてこの気迫・・・
先日50歳の誕生日を迎えた私にとって、この事実は衝撃である。
ポップは、その気迫をもって、52歳からの挑戦にて世界のポップになったのである。

後から渡米した妻と二人での戦いが続く。
妻がパイプに砂を詰め、それをポップが曲げて集合マフラーを作る・・・
その集合マフラーから発する音は、まさに魂の叫びということだ。

徐々に失地を回復しつつあった1976年、ポップは、オートバイ雑誌に掲載されたスズキのニューモデル、GS750のエンジン透過図を見た。
ポップは、それまでに散々チューニングを追及してきたカワサキZエンジンを超える可能性をそこに見たのである。
「このエンジンは耐久性がありそうだ。大幅なチューニングにも、Z以上のキャパシティーで応えてくれるに違いない・・・」

1976年8月、ポップはロサンゼルス郊外にあるUSスズキ本社にて、GSエンジンの開発責任者、横内悦夫と会う。
横内悦夫、当時、WGPにおいて7連覇を達成していたスズキレーシング部門の責任者であり、その後、世界初の量産アルミフレーム採用のRG250γ、油冷エンジンの発案と開発など、いわばスズキのエースである。
横内はこの日のことをこのように語っている。

「何を話したか・・・何も話していないんですよ。ただ、吉村さんは目が鋭かった。それだけだったんですよ。『こんにちは、はじめまして』と型どおりの挨拶はしましたが、『こんにちは』は1回だけだし・・・吉村さんはおべんちゃら使うような人じゃないし、必要なことを必要最小限話す人でしょ。GS750の透過図を見て、特にクランクシャフトとかバルブ周りに興味を持たれたようで。そんなことが感じられました。
この人はハッタリじゃないってことは目を見ているとわかる。本当に何かをやりたい目をしていましたね。それで、『吉村さん、ナナハンやりますか?』って言ったんですよ。吉村さんは『やりましょう』と答えた。
それ以外に記憶がない。契約書もない。吉村さんは初対面だったせいかちょっと興奮していらしてね。だから余計に言葉数が少なくなったのだろうけど、絶対に勝ちたいっていう意欲がものすごく伝わってきましたね。この人だったら、三つのワークスをやっつけられると感じたんですよ。」


ポップは横内との出会いをこのように語っている。

「やろう、やりましょうっていう話は30分くらいしてから出たんですよ。話していて、真面目な人だな。この人は、本当にレースのことを知っている。この人なら信頼できると思いましたね。一緒にやりましょうと言って、お互いに予定を立てて取り組める相手なんて、そうめったにいません。横内さんは約束通りちゃんとやってくれました。いや、約束の倍以上やってくれた。できる、できないをはっきり言ってくれ、できると言ったことはちゃんとやってくれたんです。」


スズキとヨシムラ、つまり横内悦夫と吉村秀雄の間に契約書は一切存在しなかった。
真の信頼関係が存在するなら紙なんていらないはずだと横内は考えたのである。
そして、現在まで連綿と続くスズキとヨシムラの関係は、まさにこの時に始まったのである。

しかし、翌1977年2月、またしてもポップに試練が訪れる。
工場の火災・・・
デイトナのレースを翌月に控えたところで工場はほぼ全焼、ポップは両腕に重度の火傷を負う。
退院したものの、焼けただれた両腕を見つめながら茫然とするポップであったが、同年6月、2台のGS750が届けられたことで完全復活した。

GS750のエンジンは、透過図で見たとおり、カワサキZで悩まされていたウィークポイントがことごとく改善されていた。
ポップは、そのGS750エンジンのチューニングに没頭し、カムシャフトを製作、当時のAMAスーパーバイク選手権では1,000ccまでの排気量というレギュレーションであったことから、大径のシリンダーライナーに交換するとともに、ホンダシビック用としてモリワキエンジニアリングが製作していた73mmピストンを加工して組み合わせ、750ccベースとしては限界に近いと思われる、944ccの排気量を得た。
このチューニングによって、出力はSTDの68PSから2倍近い125PSにまで向上、大いなる戦闘力を得るに至ったのである。

このようにして、短期間の間に突貫作業にて完成した、ヨシムラGS944レーサーは、同年9月11日にラグナセカレースウェイにて開催された、AMAスーパーバイク選手権第6戦に参戦、ライダーは、スティーブマクラフィンである。

結果は、見事に優勝。これが、ヨシムラスズキの初優勝であるが、これまでの経緯を考えたとき、これは単なる初優勝ではない。
スズキが社運をかけて開発した4ストロークエンジンの初優勝、会社乗っ取りから特攻も辞さぬ決意で臨んだ戦いにおける勝利・・・
つまり、スズキにとっても、ポップにとっても、絶体絶命のピンチから這い上がった結果の勝利ということである。

そして、伝説はここから始まった・・・

これがGS944、ライダーは故加藤昇平、1978年春のデイトナ参戦時のものである。

P1060158.jpg






ゼッケン83番のGS944に跨るのがスティーブマクラフィン、33番はGS1000&ウェスクーリーである。

P1060160.jpg







翌1978年にGS1000がデリバリーされ、こちらをレースベース車両としたため、GS750をベースとするGS944が走ったレースはわずかである。
また、現車が残存しないのはもちろんのこと、写真ですら満足にないというのが現実である。

36年の年月を隔て、この幻のGS944を復活させてみせようではないか。
ただ復活させるだけではない、まつわる様々なヒストリーを踏まえ、レプリカではないホンモノのGS944スピリッツを蘇らせてやろうと考えている。
なぁに、役者は揃っているのだ。






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マルチスパークアンプ(MSA)については、こちらのカテゴリーにまとめていますので、ぜひお読みになってください。
マルチスパークアンプ

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インプレ集(必読です)
・新型Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1255.html
・Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-813.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-817.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-824.html

ご注文に際しては、下記の事項について記載の上、メールにてお願いいたします。
事務処理の都合上、身内も含めて、これまでにお取引のある方についても、所定事項について漏れなくご回答の上、必ずメールにてお願いします。
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クランクケース減圧バルブ「レデューサー」
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ツインリード  1個 28,980円
クワッドリード 1個 49,980円
その他、オイルセパレーター等のオプションパーツについてはお問い合わせください。



prv02.jpg



クランクケース内圧が、いかにエンジンのパフォーマンスを阻害していたのか・・・これを装着して走り出した瞬間に実感するに違いありません。
この、圧倒的な効果を誰にでも体感させてくれる、クランクケース減圧バルブ「レデューサー」についての検証と実験の経過はここにまとめてありますので、どうぞご覧ください。

http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-category-1.html
すでに定評を得たこの部品ですが、まめしばならではのノウハウをもとに提供することができます。


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・オイル添加剤 「プロメディック」
1L~8,400円
500ml~4,725円
250ml~2,625円
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1L~17,850円
150ml~3,150円

この手の添加剤、巷には様々な種類が出回っていますし、その評価も様々です。
また、そもそも、こういうものを好まない主義の方もいますよね・・・私もそうでした。
きちんと組んだエンジンに的確なセッティングを施し、優れたエンジンオイルを使用していれば、それに優るものはない・・・そう考えていたのですが、ルブロス製品にはちょっと驚かされたというのが本音です。
すでに私も中毒患者・・・

RIMG1306.jpg
RIMG1308.jpg


この、プロメディックを始めとするルブロス製品については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。費用対効果という観点からも、極めて優れたものと感じています。
ルブロス製品




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までどうぞご遠慮なくメールをお送りいただくか、直接お電話をください。


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