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「ボーリングオンリー」という言葉を抹殺する


今日の記事の目的は、エンジンチューニングやエンジンオーバーホールをする際、そのコストを負担するユーザーにとって、本当に利益のある結果を得ていただくためです。


少し前に、カワサキZのエンジンについて、その全てはスリーブ交換が必要である旨を書きました。
この3本の記事です。

・カワサキZシリンダー、まず100%ダメなのが現実・・・

・カワサキZシリンダー、スリーブの緩みという現実

・カワサキZのボアアップチューニングをプランニングする



だいぶインパクトがあったようで、エンドユーザー、チューニングカスタムショップ、内燃機屋等々から、様々な反応をいただきました。
それぞれにリアルな形を含めて意見交換をさせていただきましたが、それを通じて実感したことがあります。

「最重要課題はエンドユーザーの意識改革」


エンジンオーバーホールやチューニングを計画する動機は様々と思います。
また、オーバーホールを機に、ボアアップやハイカムの組み込み、いやいや、どうせお金をかけて分解するのだから、クランクの芯出しやミッション・・・
色々と妄想が膨らむのは自然のことです。

はっきりと書きましょう。
Zのエンジンについて、仮に純正オーバーサイズピストンを使い、その他も全て純正部品にて構成しようとするのであっても、その全てについてスリーブ交換をするべきです。
Zのエンジンオーバーホールと言ったら、まず念頭に置くべき最優先課題がスリーブ交換、そういう認識を定着させたいと考えています。
なぜなら、それが必要だからです。これまで流布されてきた、根拠の浅い通説をオールクリアすべきです。

残念ながら、Zのシリンダーは、経年劣化云々という以前に、そもそもスリーブの圧入公差が緩く、また、その精度も決して褒められたものではありません。
その結果、仮に冷間時には緩んでいないように見えても、エンジン運転中の温間時には、スリーブが動いて踊っています。


おかげさまにて、SOHCエンジニアリング製コンプリートエンジン製作のオーダーも多数いただきました。続々とエンジンが送られ、その分解作業に追われています。
これは、Z750FX1エンジンにショートストローク75mmピストンキットを組み付ける予定のものです。

P1050190.jpg






このエンジンには、ヨシムラ製69mmピストンがボーリングのみで組み込まれていましたが、例のごとくスリーブ肉厚が極薄ペラペラになっています。
そして、スリーブ内壁には、不均一なアタリを示す縞模様がはっきりと浮き出ています。
スリーブ上端には、燃焼室内にオイルが相当量浸入していたことを示すように、オイルカーボンがびっしりと付着しています。
そう、オイル上がりによるエンジン不調とオイル消費過多、燃焼ガス吹き抜けによるパワーダウンとブローバイ増加・・・典型的なヘタレエンジンの症状です。
走行はわずか1万kmとのことですが、実に短いライフ、Z2やFX1に69mmピストンをボーリングオンリーで組み付けた場合、こうなってしまうということです。

P1050192.jpg






これは別のシリンダーですが、MK2のものです。
特に冷間時には緩んでいないように見えたスリーブでしたが、抜いてみるとこんな有様です。
シリンダー内壁には、スリーブが踊って動いた痕跡がしっかりと付いていますし、そもそもアタリ自体が不均一です。
こんな精度では、スリーブをしっかりと保持することなどできるはずもありません。

P1050199.jpg





ちょっとアップして見てみましょうね。
実にひどい有様ですが、Zのシリンダーは、完全ノーマルシリンダーであっても、例外なくこうなっています。
経年劣化というよりも、最初からこんなものということです。
カタナやGSでは、ここまでひどくはありません
そう・・・渡辺さんの話では、CB-FはZよりもっとひどいそうですが、これについてはまた改めて・・・

P1050197.jpg

P1050195.jpg

P1050196.jpg






抜いたスリーブの外側はこんな状態です。
アタリが不均一で踊った形跡が明らかですし、スリーブとシリンダーの間にオイルが侵入し、そこで焼けた跡がはっきり見て取れます。

P1050188.jpg






ピストンは、スリーブ内を揺動しながら上下しています。
俗にいう首振りというやつです。
ピストンの上下運動をコンロッドで連結されたクランクシャフトの回転運動に変換するわけですから、それは当然の動きなのですが、それを可能な限りスムーズなものにするため、ピストンスカートの形状などに工夫を凝らすわけです。
にもかかわらず、筒であるスリーブが動いてしまったら、それこそ元も子もありません。
双方がガタガタするわけですから、振動は出るわ双方が減るわ、まともに機能することはないのです。

ただ、Zのエンジンについては、例外なくこうなっていますので、むしろそれが当たり前のこととされているのでしょう。このあたりの設定を完全に適正化されたZのエンジンを知らないというだけのことです。
どうにもガサガサゴロゴロとした粗野なフィーリング、ちょっと元気よく走ると油温は上がってヒート気味になる、オイルは喰うし漏れるし・・・
たとえ、100万円以上もの大金をかけて完全オーバーホールされたエンジンであったとしても、スリーブとシリンダーがそのままということであれば、それなりのエンジンにしかなり得ません。

カスタムショップやチューニングショップにエンジン作業を依頼するユーザーが、こういう知識や情報を持ち、それに基づいて作業内容を指示するというのが重要です。
カムシャフトをどうするかとか、ピストンの選択をどうするかなどというのは、その後の問題です。
予算に余裕がないのであれば、なによりも優先してスリーブを交換するべきです。

スリーブ交換なしでボーリングのみで組み付けることができるものとして、「ボーリングオンリー」と銘打って販売されているピストンもありますが、それ以前の問題です。
なまじっかそんな言葉があるが故に、本質的な問題がマスキングされているような気がしてなりません。

たとえ、ショップから、
「72mmまでならボーリングオンリーで組めるよ。カムはST-1にする、ST-2にする?キャブはFCRがいいの?」
などと言われたとしても、スリーブ交換を優先するべきなのです。


お客さんからそういう指定をされれば、ショップだって内燃機屋だって、そういう作業をするでしょ・・・その結果、多くのZが本当の意味で蘇る、いや、新車時以上のクォリティーを持つニューエンジンに進化するのです。
そういう風に仕上げられたZのエンジンは、熱は持たず振動は少なく、そして本当の意味で長持ちします。さらには、名機Z、空冷2バルブDOHC並列4気筒エンジンの持つ、実に官能的なフィーリングとパフォーマンスをフルに味わうことができます。
ただ、多くの人が、本当のZエンジンを知らないだけのこと・・・

あ、GSエンジンはもっといいですけれどね・・・後出しジャンケンですから・・・


見た目がきれいで自慢できる部品が装着されていて、あとは走ればいいというレベルのZで満足するという価値観があるのであれば、それを否定するつもりはありませんし、
「オレのZには73のピストンが入ってるんだぜ・・・」
と自慢できればそれが満足というものも、それぞれの価値観です。
ただ、投じたコストに見合っただけのきちんとしたエンジンを作りたいと考えるのであれば、Zの場合には全てにおいてスリーブ交換すべきというのが私や渡辺さんの考えです。
またこれは、ただ単に交換すればよいということではないのは言うまでもありません。
Zのノーマルスリーブよりもきつい圧入公差を設定し、双方の面粗度を上げて、確実に密着するようにしなくては意味がありません。
アツアツの焼き芋を手に持つとき、ギュッと握りしめたらやけどしますが、「アチッアチッ」と言いながらも軽く持てば大丈夫・・・それと同じです。

加えて、シリンダー上面と下面を平行に引き直し、各下穴を垂直かつ平行に修正して開け直すべきですね。どうせやるなら徹底的にということです。

こういう作業に自信がある内燃機屋なら、喜んで作業を引き受けてくれるはずです。


これまで、クランクシャフトなどについては、その重要性が語られてきたことで、それなりの認識がされていると思います。しかし、それと同じくらい重要なシリンダーについての認識が薄いのではないかと感じています。
クランクがダメと言われれば、そこにかかるコストについて納得するけれど、シリンダースリーブがダメと言われてても、どうも釈然としない・・・そういう認識風潮を変えていきたいと考えたのです。

目的ははっきりとしています。
長く安定して好調なエンジン、パワーも出ているけれど、振動も少なく耐久性もあるエンジン、そういうエンジンを作るためです。
予算の問題もあるでしょうし、価値観や考え方も、はたまた立場もそれぞれであることは重々承知の上で、私はあえてこう書いているのです。

それを最終的に判断して選択するのは、全てのコストを負担するユーザーです。






GS750用キットの開発開始が決定しました。
ボア径から検討しますが、たとえば、75mmなら996cc、77mmが入れば1050cc・・・超ド級のGS750にしますよ!!



※ SOHCエンジニアリング製のカワサキZ、チューンドコンプリートエンジンをデリバリーすることとしました。
エンジン屋としてはプロ中のプロである渡辺さんが、全てをマネジメントするスペシャルなエンジンとなります。詳細はこちらをご覧ください。
1か月に1~2機しか仕上げることはできませんので、完全予約制となります。
SOHCエンジニアリング製チューンドコンプリートエンジン



ローンのご相談もいただくことが少なくありませんが、この、スルガ銀行のカスタム&メンテナンスローンなどをご利用いただければと思います。
信販系よりも、金利も有利な設定になっているようです。

スルガ銀行のカスタム&メンテナンスローン





単気筒用マルチスパークアンプ(MSA)のご予約を受け付けています。
自信を持ってのデリバリーです。
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単気筒用MSAの予約受付について




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マルチスパークアンプ(MSA)については、こちらのカテゴリーにまとめていますので、ぜひお読みになってください。
マルチスパークアンプ

すでに装着された方々のインプレはこちらにまとめてあります。これは必見です!!!

マルチスパークアンプ(MSA)インプレ集


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CRキャブレター用「Mノズル」、新型となってさらなるパフォーマンスアップを果たしました。
価格
1個 4,200円(税込)




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CRキャブレターのパフォーマンスを劇的に向上させることができる「Mノズル」発売以来、1年半の間に2,000個をデリバリーするほどにご支持をいただいてきましたが、今回、さらにパフォーマンス向上を実現したニューバージョンへと進化を遂げました。



インプレ集(必読です)
・新型Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1255.html
・Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-813.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-817.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-824.html

ご注文に際しては、下記の事項について記載の上、メールにてお願いいたします。
事務処理の都合上、身内も含めて、これまでにお取引のある方についても、所定事項について漏れなくご回答の上、必ずメールにてお願いします。
装着要領及びリセッティングガイダンスとともに、ご購入のご案内を返信いたします。

・郵便番号
・ご住所
・お名前
・電話番号
・CRキャブレター口径
・使用マシン(含エンジン仕様)
・Mノズルの個数




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クランクケース減圧バルブ「レデューサー」
価格
ツインリード  1個 28,980円
クワッドリード 1個 49,980円
その他、オイルセパレーター等のオプションパーツについてはお問い合わせください。



prv02.jpg



クランクケース内圧が、いかにエンジンのパフォーマンスを阻害していたのか・・・これを装着して走り出した瞬間に実感するに違いありません。
この、圧倒的な効果を誰にでも体感させてくれる、クランクケース減圧バルブ「レデューサー」についての検証と実験の経過はここにまとめてありますので、どうぞご覧ください。

http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-category-1.html
すでに定評を得たこの部品ですが、まめしばならではのノウハウをもとに提供することができます。


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・オイル添加剤 「プロメディック」
1L~8,400円
500ml~4,725円
250ml~2,625円
・燃料添加剤 「トップルーブ1000」
1L~17,850円
150ml~3,150円

この手の添加剤、巷には様々な種類が出回っていますし、その評価も様々です。
また、そもそも、こういうものを好まない主義の方もいますよね・・・私もそうでした。
きちんと組んだエンジンに的確なセッティングを施し、優れたエンジンオイルを使用していれば、それに優るものはない・・・そう考えていたのですが、ルブロス製品にはちょっと驚かされたというのが本音です。
すでに私も中毒患者・・・

RIMG1306.jpg
RIMG1308.jpg


この、プロメディックを始めとするルブロス製品については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。費用対効果という観点からも、極めて優れたものと感じています。
ルブロス製品




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これらの部品や作業等に関する各種お問い合わせは、
mameshiba198★gmail.com(★に@を入れてください)
までどうぞご遠慮なくメールをお送りいただくか、直接お電話をください。


〒253-0051
神奈川県茅ヶ崎市若松町3-16-502
ファクトリーまめしば
090-3342-1234





拍手もどうぞよろしく!!!!
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