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点火プラグ、接地電極のスリット加工~着火性の向上


「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」
言わずと知れた、エンジンの三大要素です。
そして、これらは等しく重要であることですから、どれが欠けても問題が生じます。
私は、長年にわたってキャブレターセッティングやキャブレターチューニングに腐心してきましたが、その過程において、点火系の重要性について認識を深めるに至っています。

ある特性を求めてキャブセッティングをピンポイントに追い込んでいくと、どこかで壁に突き当たります。生じるネガを解決することができずに、それ以上を追求できなくなるのです。
そこへ、点火系をうまくいじって強化してやると、とたんに許容マージンが広がるというケースを幾度も経験してきました。

そんな経験を踏まえて、近年ではV-UP16やマルチスパークアンプなどの開発や実験に携わらせていただく機会を得たのですが、その効果は目覚ましいものがあります。
いくらお金をかけてエンジンチューニングをしても、手間暇と時間をかけて執念のキャブセッティングをしても、この点火系を強化しなかったとしたら、まるで片手落ちということを改めて実感するのです。

シリンダー内に吸入した混合気を圧縮し、然るべきタイミングで火花による点火を行い、そこで得られた燃焼による膨張エネルギーをクランクシャフトの回転トルクへと変換し、動力として取り出す、その過程は、全て物理法則や化学法則に支配されています。
そういうものの効率を向上させようとした場合、そこで実際に何が起こっているのか、そして、それが目指すべき理想形とはどういうものかを把握していないことには、まるで闇夜に向かって鉄砲を撃ち尽くすようなものです。
機械の調子を良くするためには、理に適ったことをしなくてはならないのは当然のことですが、そもそも、何が「理」なのかを知らずして、それに適うもなにもあったものではありません。

点火から燃焼のプロセスについては、これまでにも幾度か記事に書いてきたところです。
点火プラグの電極間に放電させ、そのエネルギーによって、電極間には「火炎核」が形成されます。そして、この火炎核を火種として、周囲の混合気に燃え広がっていくことで燃焼が進むというのがそれです。
点火から燃焼のプロセスにおいて、混合気を燃焼させることができない場合を「失火」と表現しますが、この原因は二つに大別されます。
ひとつは、電極間に放電が起こらなかったというケースです。良く、点火プラグをシリンダーヘッドから外した状態でクランキングさせ、「あれっ、火が飛んでないよ・・・」というやつです。
もうひとつは、放電したにもかかわらず、火がつかなかったというものです。
その原因もいくつかあるところですが、その代表的なものが、電極の持つ消炎作用によって、火炎核が消えてしまったというものです。

このあたりのことを簡潔に要約していますので、こちらをお読みください。
プラグメーカーであるNGKのサイトです。
NGKプラグスタジオ


プラグメーカーは、悪条件化でも放電しやすくするための飛火性と、形成した火炎核を燃焼へとつなげるための耐消炎性の2点を向上させるべく、様々な試行錯誤を重ねています。
多極化、イリジウム、ワイドギャップ、U字カット、V字カット、電極突出しタイプ、沿面放電タイプetc
これらは、具体的方策のためのそれぞれの形ですが、全ては、先の2点を追求すべく考案実用化されたものということです。
形は結果に過ぎません。目的やアプローチによって、個々の形が違うのは当然のことですし、形のみを議論しても、本質に迫ることはできません。
メーカーがその形を選択するに至ったプロセスを理解咀嚼して初めて、それを自分なりの手法に反映することができるのです。


先日、知人筋から、プラグに面白い加工をしている人がいるという話を聞きました。
すでに、数千本の実績があるものなので、試してみないかという話です。

しばらくして届けられた点火プラグは、通常のBR8ESというスタンダードプラグの接地電極に、縦のスリットが切られた上、その側方と懐部分が削り込まれたものでした。
それを見たとき、私は、何を目的とするものかを即座に理解したとともに、強度の落ちた接地電極が折れてしまわないかとの懸念を抱きました。
しかし、すでに四輪のプロダクションレースにおいてもトラブルは皆無という話でしたので、懸念は払拭されたとまでは言わずとも、とりあえず自分のマシンに装着して試してみることにしたのです。

それまでに使用していた点火プラグは、デンソーイリジウムです。
私は長年にわたってこれを愛用しています。
スタンダードプラグを試してみたこともあるのですが、やはり、全てにおいてイリジウムプラグは優れているというのが私の実感です。
最もわかりやすいのは、振動特性です。
イリジウムの方が、明らかに振動が少ない・・・これは、失火率が下がったことによるひとつの現象効果です。
よく、イリジウムにしても違いが体感できないとか、かぶりやすいなどという意見も聞きますが、それは点火システム自体の問題です。もともとが整備不良やはなはだしく能力不足によって不具合があるものについて、点火プラグをイリジウムにしたとしても、そのパフォーマンスを得ることなどできるわけがないのです。
また、イリジウムにすると、エンジンのツキが良すぎて乗り難いなどという説もあるらしいですが、もしそうだとしても、それはプラグの問題ではありません。単なるセッティング不良に過ぎません。

話を元に戻しましょう。
この、安価なBR8ESをベースに追加工した点火プラグ、実に素晴らしいフィーリングを得たのです。
全てにおいて、デンソーイリジウムを上回ると言っても過言ではない・・・
正直言って、まさかここまで効果があるとは思っていませんでした。

そうなれば、イリジウムをベースにこの追加工をしてみたらどうなるのかを試してみたくなるというものです。
理論的には、もっと良くなるに違いないのです。理に適っているのですからね。

そういうわけで、手持ちのデンソーイリジウムを加工してみました。
この加工をするためには、それなりの先端チップを購入しなくてはなりません。
それをわざわざ購入してまで自分でやりたくなったのですから、その効果程度を想像してみてください。

やっと画像です・・・

P1010021.jpg






接地電極には、このようにして縦スリットを入れます。

P1010022.jpg






さらに、このようにして斜めに面取りをします。

P1010023.jpg






この加工の目的はふたつです。
・接地電極の体積を減じることによって、火炎核の熱を奪いにくくし、その成長を妨げないようにする
・電極周りの風通しを良くすることによって、火炎核が周囲の混合気に触れやすく、かつ火炎伝播が全周にわたるようにする

理に適っているのですから、効果があるに決まっています。
その効果を有為差として体感できないとしたら、それはテスターの感覚センサーが鈍いか、若しくは点火系を始めとするマシン各部のセットアップや設定に問題があるということです。


なぜメーカーがこの形を採用しないのか・・・まあ、加工コストの問題でしょう。
接地電極が折れたらどうするのか・・・それが心配な人はやらなければいいだけですし、私だって折れたら嫌ですから、加工については、そうならないように可能な限りの配意とやり過ぎない自制心を持ってやったのです。





※ SOHCエンジニアリング製のカワサキZ、チューンドコンプリートエンジンをデリバリーすることとしました。
エンジン屋としてはプロ中のプロである渡辺さんが、全てをマネジメントするスペシャルなエンジンとなります。詳細はこちらをご覧ください。
1か月に1~2機しか仕上げることはできませんので、完全予約制となります。
SOHCエンジニアリング製チューンドコンプリートエンジン




先行情報です。
58mmショートストロークのZ2クランクエンジン用75mmピストンキットを開発します。
排気量は1,024cc、圧縮比は11~12までの間で任意調整可能です。
66mmストローククランクとは全く異質の高回転フィーリングを得ることができますし、これだけの排気量ですので、パワーも相当に見込めるはずです。
とりあえずの最低目標は、レブリミット11,000rpm、後輪120PS、10.5キロのトルクを発揮するというもの・・・
価格については、この記事に掲載したコンプリート価格と同じです。
SOHCエンジニアリング製チューンドコンプリートエンジン
時期は10月下旬、製作数は最低ロット数の5セットです。



ローンのご相談もいただくことが少なくありませんが、この、スルガ銀行のカスタム&メンテナンスローンなどをご利用いただければと思います。
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マルチスパークアンプ(MSA)については、こちらのカテゴリーにまとめていますので、ぜひお読みになってください。
マルチスパークアンプ

すでに装着された方々のインプレはこちらにまとめてあります。これは必見です!!!

マルチスパークアンプ(MSA)インプレ集


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CRキャブレター用「Mノズル」、新型となってさらなるパフォーマンスアップを果たしました。
価格
1個 4,200円(税込)




RIMG1314.jpg



CRキャブレターのパフォーマンスを劇的に向上させることができる「Mノズル」発売以来、1年半の間に2,000個をデリバリーするほどにご支持をいただいてきましたが、今回、さらにパフォーマンス向上を実現したニューバージョンへと進化を遂げました。



インプレ集(必読です)
・新型Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1255.html
・Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-813.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-817.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-824.html

ご注文に際しては、下記の事項について記載の上、メールにてお願いいたします。
事務処理の都合上、身内も含めて、これまでにお取引のある方についても、所定事項について漏れなくご回答の上、必ずメールにてお願いします。
装着要領及びリセッティングガイダンスとともに、ご購入のご案内を返信いたします。

・郵便番号
・ご住所
・お名前
・電話番号
・CRキャブレター口径
・使用マシン(含エンジン仕様)
・Mノズルの個数




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クランクケース減圧バルブ「レデューサー」
価格
ツインリード  1個 28,980円
クワッドリード 1個 49,980円
その他、オイルセパレーター等のオプションパーツについてはお問い合わせください。



prv02.jpg



クランクケース内圧が、いかにエンジンのパフォーマンスを阻害していたのか・・・これを装着して走り出した瞬間に実感するに違いありません。
この、圧倒的な効果を誰にでも体感させてくれる、クランクケース減圧バルブ「レデューサー」についての検証と実験の経過はここにまとめてありますので、どうぞご覧ください。

http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-category-1.html
すでに定評を得たこの部品ですが、まめしばならではのノウハウをもとに提供することができます。


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・オイル添加剤 「プロメディック」
1L~8,400円
500ml~4,725円
250ml~2,625円
・燃料添加剤 「トップルーブ1000」
1L~17,850円
150ml~3,150円

この手の添加剤、巷には様々な種類が出回っていますし、その評価も様々です。
また、そもそも、こういうものを好まない主義の方もいますよね・・・私もそうでした。
きちんと組んだエンジンに的確なセッティングを施し、優れたエンジンオイルを使用していれば、それに優るものはない・・・そう考えていたのですが、ルブロス製品にはちょっと驚かされたというのが本音です。
すでに私も中毒患者・・・

RIMG1306.jpg
RIMG1308.jpg


この、プロメディックを始めとするルブロス製品については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。費用対効果という観点からも、極めて優れたものと感じています。
ルブロス製品




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〒253-0051
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ファクトリーまめしば
090-3342-1234





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Comment

Re: プラグ 

私は使ったことがないのでわかりませんが、どうなのでしょうか?
誰か、緻密な比較テストをした人はいないのでしょうかねぇ・・・?
  • posted by mameshiba198 
  • URL 
  • 2013.10/05 10:37分 
  • [Edit]
  • [Res]

プラグ 

BRISKのプラグは如何でしょうか?
BMWのディーラーでは一般的な様ですが、あまり周りで使用して言いる人がいません。
始動性及び点火系を強化していない車両以外には耐久性含めてとてもいいと思うのですが??下記の動画を見てみてください。
V-UP等組み合わせるとともて良さそうなのですが!!
http://www.youtube.com/watch?v=uZu6cgTEMCA
  • posted by わさび 
  • URL 
  • 2013.09/23 20:55分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: 点火系チューニングは効く! 

従来、チューニングと言うと、ゲインのことばかり意識が向いて、ロスを回復するという視点が足りなかったように思います。
チューニングすることでロスしてしまった部分に気づくことが大切・・・それを回復する方策として有効なのが点火系であったり、適切なセットアップやセッティングだったりします。
  • posted by mameshiba198 
  • URL 
  • 2013.09/13 12:28分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: NoTitle 

ぜひ挑戦してみてください。
効果は・・・試してみてのお楽しみです!!
  • posted by mameshiba198 
  • URL 
  • 2013.09/13 12:25分 
  • [Edit]
  • [Res]

点火系チューニングは効く! 

私もデンソープラグイリジウムを全バイクで愛用しています。
きっかけはデンソーと他社のノーマルとイリジウムを
買ってきて火花を飛ばし見比べて決めました。
デンソープラグイリジウムを取り付け走らせると
明確な性能向上が実感できました。
点火系チューニングは効く!
それからV-UP16やMOSFETレギュレターに興味を持ち
使用しています。火花の強さはキャブセッティングに
大きな影響を及ぼしますので特に旧車の場合まず1番に
これらを搭載しそれからキャブやマフラーを交換すべきと
思っています。
CR-M+VーUP16+NGC この組み合わせは
関連しあい相乗効果が高くパワーアップし洗練され
ストリートチューンの定番になるでしょうね。
  • posted by GS400 
  • URL 
  • 2013.09/12 16:47分 
  • [Edit]
  • [Res]

NoTitle 

この加工、十何年振りかに、見ました。
当時は、自分で出来なかったので、しなかったのですが、
今なら、なんとか出来そう・・・。
  • posted by hidekyo 
  • URL 
  • 2013.09/12 16:17分 
  • [Edit]
  • [Res]

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