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ピストンマジック その1 (スムーズで油温が上がらない)


先日、この記事にて、SOHCエンジニアリング製ピストンを組み付けたマシンについて、パワーチェック結果をご報告しました。
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1528.html

その後のキャブセッティングの煮詰めによって、1,015cc(ノーマル排気量)のZ1000MK2は、119PSまで伸びたとの報告も受けているところですが、これはまさに、従来の常識を覆すかのような衝撃的な事実です。
また、気温30度以上という悪条件下にてこれですので、秋から冬にかけて計測すれば、123~124PSあたりは確実でしょう。


この事実はしかし、SOHCエンジニアリング製ピストンが持つパフォーマンスの一端に過ぎません。パワーは、やるべきことをやったら出ていたという、いわば結果の話であって、それを目的としているわけではありません。
そんなことよりも・・・


つい先日、ご意見番tsuruさんが自身のZ1RにSOHCエンジニアリング製75mmピストンを組み込み、シェイクダウンからならし走行までを一気に済ませました。
なんと彼は、エンジンに火が入った翌日に車検に持ち込み、そのままその足で、一人自走で九州ツーリングに行ってしまったのです。走行距離は約3,500km・・・

tsuruさんから、色々な話を詳細にわたって聞きました。
以下はその抜粋です。

まず最初に驚いたのは、拍子抜けするほどスムーズで振動が激減していることです。
エンジンに火が入り、付近を走り出した直後、まだ初期ならしなので4,000rpmあたりを上限に、スロットル開度も少ない状態でした。
事前のイメージでは、1,166ccもの排気量、11以上もある圧縮比からすれば、相当にパンチのある暴力的なフィーリングになるものと予想、いや、覚悟していたのですが、最初は、圧縮比の設定を間違ったのかと思うほどにスムーズで滑らかに感じました。
走行距離が400kmを越えたあたりから、エンジンの回りがさらに軽くなり、「もう回してもいいよ・・・」という感じになりましたので、徐々にスロットル開度を大きくしていったところ、これは相当にパワーも出ていて速い・・・けれども滑らかでスムーズ、振動も少ない・・・

tsuruさん、実は元IAライダー、全日本選手権を250ccや125ccで戦ってきたプロなのですが、
「いやぁ、まめしばさん、このピストンはいいですよ。とにかく、パワーはあるけど開けやすいんです。こういうエンジンの方が、速く走れるんですよ。」

帰路では、すっかりならしも終わってエンジンの回りも益々軽やかになったところで、5速7,000rpm前後で高速巡航、それも連続1時間以上にわたって開け続けたそうですが、そのときの油温が、85度前後だったそうです。

「これには驚きましたよ。以前のワイセコの時には、こういうシチュエーションでは120度くらいまで上がり、そのまま上がる一方でしたから、こんな連続高速走行自体ができませんでしたが、このピストン、油温は上がらないし、フィーリングも全然ヤバい感じがしないんです。もっとスロットルを開けてペースを上げても、壊れるような危うさを感じない・・・」



もう1件、GS1000用77mmピストンキットで1,207cc、圧縮比は11.5というド級エンジンを組み上げて、このクソ暑い時期にサーキットにて練習走行をしたNさんからも連絡が入りました。

「パワーが出て速くなったというのも事実なんですが、それよりなにより驚いたのは、油温が上がらないんです。気温35度くらいもあるのに、開け開けのサーキットでも、93度までしか上がりませんでした。それまでのワイセコではもっと上がっていましたので、当初は、排気量が大きくなって圧縮も上がり、パワーが出ることで、これは油温対策をしなくてはならないと覚悟していたんですが、逆に上がらないんです・・・エンジンの感じも、妙にスムーズで振動も少なく、とても開けやすいんです。これも、どういうことなのか不思議なんですよね・・・」



排気量と圧縮比を上げてパワーを稼ぐと、熱的に厳しくなる・・・これは事実です。
従来、カワサキZやスズキ刀などの空冷大排気量マシンをそのようにチューニングすると、オーバーヒートやオイル漏れに悩まされ、また、振動は増加して粗く乱暴なフィーリングになるなどと認識されてきました。
しかし、SOHCエンジニアリング製ピストンを使うと、そうはならないのです。
信じるかどうかは貴方の自由です。これまで、ワイセコやコスワースを使ってきた経験しかないのであれば、信じられないのかもしれませんね。
私だって信じられないんですから・・・まさか、ここまでの違いがあるとは、私自身も予想していませんでした。
つまり、空冷大排気量エンジンは、基本的に熱的に厳しいのは事実なれど、その基本構造はそのままに、まだまだマージンを得る余地はあったということです。
換言すれば、従来のチューニングによって様々な熱的問題に悩まされたのは、空冷大排気量エンジンだからなのではなく、工夫と努力が足りなかっただけで、それを安易に空冷だから仕方ないと言ってきたに過ぎなかったということです。


突拍子もない、発明的なことをしているわけではありません。
緻密なボーリング作業を始め、やるべきことを徹底して突き詰めた結果です。
たとえば、これまでにもご紹介してきましたが、スリーブを入れ替える際に、シリンダー内壁の仕上げ面粗度をここまで上げます。

RIMG7482_20130823150922be5.jpg

RIMG7481_20130823150921cf6.jpg






なにもここまでしなくても・・・そう考えるのであれば、そこまでのレベルということです。それは、技術レベルではなく意識レベルの問題です。
それは、各部において、本来あるべき形を見据えた上で、考えられる手法を尽すという意識で取り組むということです。
「ここはこんなものでいいんだよ・・・」と考える人種は、一事が万事において、そのレベルから脱することはできません。


Zのノーマルシリンダー、スリーブを抜いてみると、その全てはこういう状態です。
面粗度はもとより、オイルまみれになっているのがわかりますね。このシリンダー、決してスリーブが緩んでいたわけではありません、冷間時ではあるものの、きちんと固定されていたにもかかわらず、抜いてみるとこういう状態ということです。

RIMG7539_20130823150921cf5.jpg






スリーブもこのとおり、オイルまみれです。
このように、スリーブとシリンダーの間にオイルが侵入してしまえば、熱伝導率はケタ違いに悪化しますので、冷えないということです。
このスリーブはZ1Rのノーマルスリーブですが、73mmまでボアアップボーリングされたものですので、肉厚も限界付近・・・せめて、お得意の銅メッキでもしておいてくれれば多少はマシだったのかもしれませんね。まあ、所詮は付け焼刃に過ぎませんが・・・

RIMG7536_20130823150920c3e.jpg






以前にも書きましたが、これから長きにわたって安心して走り続けられるような、きちんとしたエンジンを作りたいと考えた場合、カワサキZのシリンダーについては、その全てをスリーブ交換するべきです。それは、ボアアップする際のみではなく、オーバーサイズ純正ピストンを使う場合であっても同様です。
ハイカムやキャブ、点火系、はたまたサスやブレーキなどの車体周りなどは、あとからいくらでも交換することができますが、腰下やシリンダー周りというのはそうは行きませんので、予算に限りがあるという場合、まずはこれらを優先してしっかり作り込んでおくことが重要ですし、それがユーザーサイドに立った提案ではないかと考えています。
お金を使ったけれども、どうにもシャキッとしないような、すぐにダメになるエンジンになってしまったというのであれば、なんとも悲しいことになってしまいます。



話はやや前後しますが、油温が上がらないというのは、つまるところ放熱性が高いということです。
熱を持つということは、それだけ各部の摩耗も早まりますので、つまるところ長持ちしないという結果になりますし、それは、シリンダー周りのみならず、バルブやバルブガイド周りの耐久性も大きく左右することになるのです。


ところで、SOHCエンジニアリング製ピストンが熱を持たない理由、実は今日書いたことだけではないのです。というか、どちらかと言えば、こっちの方が本質かな・・・
スリーブを作り直してシリンダーをきちんと仕上げれば、ワイセコやコスワースなどを使っても同様の効果が得られるのかと言えば、そうではありません。
つまり、ピストン側にも、まだ未公開の秘密があるということ・・・
それについては、いずれ、またの機会に書くことにしましょう。




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コンチクラシックアタックの予約受付について


GSX750S/GSX1100S用メインハーネスキットの予約受付についてはこちらをご覧ください。

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マルチスパークアンプ(MSA)4気筒用の注文受付について



マルチスパークアンプ(MSA)については、こちらのカテゴリーにまとめていますので、ぜひお読みになってください。
マルチスパークアンプ

すでに装着された方々のインプレはこちらにまとめてあります。これは必見です!!!

マルチスパークアンプ(MSA)インプレ集


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CRキャブレター用「Mノズル」、新型となってさらなるパフォーマンスアップを果たしました。
価格
1個 4,200円(税込)




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CRキャブレターのパフォーマンスを劇的に向上させることができる「Mノズル」発売以来、1年半の間に2,000個をデリバリーするほどにご支持をいただいてきましたが、今回、さらにパフォーマンス向上を実現したニューバージョンへと進化を遂げました。



インプレ集(必読です)
・新型Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1255.html
・Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-813.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-817.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-824.html

ご注文に際しては、下記の事項について記載の上、メールにてお願いいたします。
事務処理の都合上、身内も含めて、これまでにお取引のある方についても、所定事項について漏れなくご回答の上、必ずメールにてお願いします。
装着要領及びリセッティングガイダンスとともに、ご購入のご案内を返信いたします。

・郵便番号
・ご住所
・お名前
・電話番号
・CRキャブレター口径
・使用マシン(含エンジン仕様)
・Mノズルの個数




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クランクケース減圧バルブ「レデューサー」
価格
ツインリード  1個 28,980円
クワッドリード 1個 49,980円
その他、オイルセパレーター等のオプションパーツについてはお問い合わせください。



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クランクケース内圧が、いかにエンジンのパフォーマンスを阻害していたのか・・・これを装着して走り出した瞬間に実感するに違いありません。
この、圧倒的な効果を誰にでも体感させてくれる、クランクケース減圧バルブ「レデューサー」についての検証と実験の経過はここにまとめてありますので、どうぞご覧ください。

http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-category-1.html
すでに定評を得たこの部品ですが、まめしばならではのノウハウをもとに提供することができます。


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・オイル添加剤 「プロメディック」
1L~8,400円
500ml~4,725円
250ml~2,625円
・燃料添加剤 「トップルーブ1000」
1L~17,850円
150ml~3,150円

この手の添加剤、巷には様々な種類が出回っていますし、その評価も様々です。
また、そもそも、こういうものを好まない主義の方もいますよね・・・私もそうでした。
きちんと組んだエンジンに的確なセッティングを施し、優れたエンジンオイルを使用していれば、それに優るものはない・・・そう考えていたのですが、ルブロス製品にはちょっと驚かされたというのが本音です。
すでに私も中毒患者・・・

RIMG1306.jpg
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この、プロメディックを始めとするルブロス製品については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。費用対効果という観点からも、極めて優れたものと感じています。
ルブロス製品




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ファクトリーまめしばスペシャルパーツ
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これらの部品や作業等に関する各種お問い合わせは、
mameshiba198★gmail.com(★に@を入れてください)
までどうぞご遠慮なくメールをお送りいただくか、直接お電話をください。


〒253-0051
神奈川県茅ヶ崎市若松町3-16-502
ファクトリーまめしば
090-3342-1234





拍手もどうぞよろしく!!!!
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Comment

Re: 良い仕事ですね 

しますけさん
技術というよりも、意識レベルの問題です。
こういう、見えないところに手間をかけて、本来あるべき姿を追求することが大切ですね。
  • posted by mameshiba198 
  • URL 
  • 2013.08/31 15:34分 
  • [Edit]
  • [Res]

良い仕事ですね 

凄い技術ですね!!
シリンダーの艶の綺麗な事・・・
プロはやはり凄い!!
  • posted by しますけ 
  • URL 
  • 2013.08/26 16:53分 
  • [Edit]
  • [Res]

悪魔のピストン! 

これだけのパフォーマンスでありながら
快適性と耐久性を併せ持ち
真夏のサーキットランでも空冷4発で油温が93℃!
ライバルたちからすれば 悪魔のピストンだ!
  • posted by GS400 
  • URL 
  • 2013.08/24 14:52分 
  • [Edit]
  • [Res]

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