2013.06/25 [Tue]
カワサキZシリンダー、まず100%ダメなのが現実です
ちょっとショッキングな題名ですが、それが現実です。
Zエンジンのウィークポイントのひとつとして、シリンダースリーブの緩みということが良く言われています。
エンジンを分解してシリンダーを抜く際にスリーブも浮いてしまったとか、抜いたシリンダーを逆さにしたら、スリーブがストンと抜け落ちたなどという話を聞きますね。
また、シリンダー良否について、スリーブのスカートを軽く叩き、それによってスリーブが動くかどうかによって判断基準とするなどという話も聞いたことがあると思います。
なぜ、スリーブが緩んでいるとまずいのか・・・エンジンアッシィーの状態では、スタッドボルトとともにシリンダーヘッドと締め付けられているので、それによって動くことはないから大丈夫などと言う向きもあるようですが、そんなバカなことはありません。
ピストンはスリーブの中で大きく揺動するように上下していますので、スリーブとシリンダーの嵌め合いが緩くなれば、ますます揺すぶられて緩くなってしまいます。一度緩くなったら最後、そこからは急激に緩み始めるということです。
スリーブがシリンダー内で踊ると、シリンダーにはどんな痕跡が残るのか、この記事をご覧ください。
シリンダーとスリーブ
また、スリーブとシリンダーはきっちりと密着することで放熱性を担保していますので、双方の嵌め合いが緩くなれば、スリーブが燃焼ガスから受けた熱を放熱することが難しくなりますし、嵌め合いが緩くなったことでスリーブとシリンダーの間にはエンジンオイルが浸入しますので、これがオイルジャケットのようになって放熱性を著しく阻害するのです。
また、スリーブの緩みがあるとシリンダーボーリングができません。
スリーブ内壁に工作機械の刃物が当たった瞬間に、スリーブが回ってしまって削ることができなくなるからです。
それを防ぐために、スリーブとシリンダーの間にイモネジをねじ込んだり、スリーブ外壁にローレットを刻んだりして回り止めするなどという、先の放熱性やシリンダー剛性という本来求められるべき機能からすれば、まことに信じがたいような手抜き作業をしたりもしますが、それをもってスリーブが動かなくなったから問題ないなどと言うのはどのようなものでしょうか・・・
さらには、スリーブ外壁にメッキを厚付けして再圧入するということも一部の業者がやっているようですが、それなりのコストがかかる上に、そもそもの材質が最上ではないノーマルスリーブにそこまで固執する理由が私にはわかりません。そうすることによってしか得られない何か特別なメリットがあるというのであればいいのですが、私には思い当たりません・・・
これは、イモネジをねじ込むことで回り止めをされたシリンダーです。
ボーリングをする際に回ってしまって加工ができないので、単に回らなくするためだけという目的です。
放熱性や剛性の低下という、スリーブが緩んだことによる問題解決にはなにひとつ役立たないこと、さらには、シリンダーに穴を開けるということを、ユーザーのコスト負担で行うという現実がここにあります。
このエンジン、ボアアップチューニングを行ってから1万kmも走らないうちに、激しいオイル上がりやオーバーヒートなどの問題を抱えてしまいました。開けてみたらこの体たらく・・・
硬度、耐摩耗性、剛性などに極めて優れたターカロイ鋳鉄「松仕様材」でスリーブを製作しても、1本1万円とちょっとで出来てしまうのですから、迷わずこれにするのが得策というものです。このスペシャルなスリーブ材とノーマルスリーブ、刃物を当ててみれば、その硬度などの違いは一目瞭然ですし、実際の耐久性や耐摩耗性などに至っては、数倍レベルと言っても過言ではありません。
と、ここまでは一般的な話なのですが、私が書こうとするのはそんなことではなく・・・
以前から、CRキャブや点火時期のセッティングについて幾度となく相談をいただいていたのですが、どうもエンジン本体が怪しいということになりました。
マシンはZ1R、フルコンプリートとして製作されてから、1万km程度の走行とのことですが、良く話を聞いてみると、最初のオーナーが不具合や不調を訴えたことで、製作したショップで何度かの手直しをしたにもかかわらず、いまひとつ芳しくないことで嫌気がさしてマシンを売却、今回のオーナーは二人目ということです。
不具合があることを承知で入手した現オーナー、キャブや点火系でなんとかなると考えていたそうですが、それもどうにもならず、さらに症状は悪化し、最近では2番と3番が失火してしまうことでついに走行不能に陥ったということです。
ちなみに、ピストンはワイセコ73mm、ノーマルシリンダーをボーリングしただけですので、スリーブ肉厚は1.2mmのペラペラ仕様です。ほとんどのショップではこれで問題ないと言うようですが・・・その根拠は、ワイセコのカタログ上にて「ボーリングオンリー」と書かれているからというものですが、果たして・・・
このエンジンについて色々と検討した結果、渡辺さんのところにエンジン丸ごとのやり直しをお願いすることと相成ったというわけです。
外観はとてもきれいなエンジンなのですが、さて、これからk2k2さんがオーナーの目前で分解を開始します。
オーナーご本人に、現実を見ていただこうというわけです。
とはいっても、こちらだって開けてみないとどうなっているのかなんてわかりませんけれどね・・・
シリンダーヘッド周りも?????という状況がいくつもありましたが、まずはシリンダーの状態は・・・これを見ただけでも、「こりゃぁヤバそうな当たりだな・・・」という感じです。
ただ、この状態でスリーブのスカートを叩いても動く気配はありませんので、一般的には珍しく緩んでいない良好なシリンダーということになるのですが・・・
ここ大事ですよ、従来の一般的判断基準からすれば、スリーブは緩んでいなかったのです。
極上シリンダーなのか・・・
シリンダーをガスコンロに乗せて炙って暖めます。
プラハンでひっぱたいて抜き取ります。
動画でどうぞ・・・
さて、長くなりましたので、続きはまた後日に・・・
※続報
渡辺さんが、GSX1100S刀用74mmピストンキットを完成させました。
価格は153,300円、残りは1セットのみです。
昨日初公開情報なのに残りは1セット・・・早いもの勝ちですよ。
確保については、私宛にメール若しくは電話にてお願いします。
キットの詳細は、こちらをご覧ください。
GSX1100S用74mmキット
そうそう、GS1000用73mmキットも残り1セットになりました。
もう、これで最後です。
GS1000用73mmキット
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マルチスパークアンプ(MSA)4気筒用の注文受付について
マルチスパークアンプ(MSA)については、こちらのカテゴリーにまとめていますので、ぜひお読みになってください。
マルチスパークアンプ
すでに装着された方々のインプレはこちらにまとめてあります。これは必見です!!!
マルチスパークアンプ(MSA)インプレ集
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CRキャブレター用「Mノズル」、新型となってさらなるパフォーマンスアップを果たしました。
価格
1個 4,200円(税込)
CRキャブレターのパフォーマンスを劇的に向上させることができる「Mノズル」発売以来、1年半の間に2,000個をデリバリーするほどにご支持をいただいてきましたが、今回、さらにパフォーマンス向上を実現したニューバージョンへと進化を遂げました。
インプレ集(必読です)
・新型Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1255.html
・Mノズル
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ご注文に際しては、下記の事項について記載の上、メールにてお願いいたします。
事務処理の都合上、身内も含めて、これまでにお取引のある方についても、所定事項について漏れなくご回答の上、必ずメールにてお願いします。
装着要領及びリセッティングガイダンスとともに、ご購入のご案内を返信いたします。
・郵便番号
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・お名前
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・CRキャブレター口径
・使用マシン(含エンジン仕様)
・Mノズルの個数
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クランクケース減圧バルブ「レデューサー」
価格
ツインリード 1個 28,980円
クワッドリード 1個 49,980円
その他、オイルセパレーター等のオプションパーツについてはお問い合わせください。
クランクケース内圧が、いかにエンジンのパフォーマンスを阻害していたのか・・・これを装着して走り出した瞬間に実感するに違いありません。
この、圧倒的な効果を誰にでも体感させてくれる、クランクケース減圧バルブ「レデューサー」についての検証と実験の経過はここにまとめてありますので、どうぞご覧ください。
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すでに定評を得たこの部品ですが、まめしばならではのノウハウをもとに提供することができます。
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オイル添加剤 「プロメディック」
燃料添加剤 「トップルーブ1000」
この手の添加剤、巷には様々な種類が出回っていますし、その評価も様々です。
また、そもそも、こういうものを好まない主義の方もいますよね・・・私もそうでした。
きちんと組んだエンジンに的確なセッティングを施し、優れたエンジンオイルを使用していれば、それに優るものはない・・・そう考えていたのですが、ルブロス製品にはちょっと驚かされたというのが本音です。
すでに私も中毒患者・・・
この、プロメディックを始めとするルブロス製品については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。費用対効果という観点からも、極めて優れたものと感じています。
ルブロス製品
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