fc2ブログ

GS1000と日々の日記

ファクトリーまめしばにおける日々の作業内容についてご紹介しております。

Entries

エンジンブローの原因を追究する その2(シリンダーボーリング作業等の問題)


エンジンをボアアップしたり、シリンダーヘッド周りを修正したりする場合、その作業は内燃機屋に依頼するのが一般的です。
それは、プライベートチューナーのみならず、カスタムチューニングショップにおいても同様です。

そこで巷では、「内燃機屋というのは内燃機加工のプロで、多くの経験を積んでいるので、腕の良いところに加工の全てをお任せすれば大丈夫・・・」などと認識されているようですが、果たして・・・

以前にも書いたことがありますが、内燃機屋というのは内燃機加工が仕事であり、エンジン屋、チューニング屋ではありません。あくまでも、クリアランスを始めとする加工指定は依頼する側が行うべきであり、内燃機屋は、その加工指示に従って加工するのみというのが基本的なスタンスであることを忘れてはならないのです。
もしかすると、経験豊富な内燃機屋といっても、細かな認識については時代遅れである場合もあるかもしれませんし、内燃機屋における多くの仕事は、エンジン部品の補修であるということも忘れてはなりません。
長年に渡って使用され続けてすり減った内燃機関について、新品購入するにはお金がかかるので、何とか補修して使い続けたいというニーズに応えるための仕事だということです。
重箱の隅をつつくようなチューニングレベルの作業と、単に使えれば良いという作業では、おのずとさじ加減レベルが異なるところ、それをきちんと区別認識して加工作業をする内燃機屋がどれだけいるのか・・・
長年の経験レベルというものが、「こんなものでこれまでに問題は起こっていないから大丈夫・・・」という程度のものであったとしたら・・・

さらに言えば、多くの内燃機屋は、加工を終えたエンジンパーツが組み上げられ、それがその後どうなったのか、また、ある程度の使用を重ねたのちにどのような摩耗や劣化が起こったのかなど、結果のフィードバックが正確に届き辛い立ち位置にいるというのも事実です。
自らが積極的にリサーチをしなければ、自分の仕事の是非について検証することすらできない可能性があるということです。


今回、ボアアップチューニング後、わずか1万kmの時点において、点火時期とキャブセッティングミスを直接原因とするエンジンブローに見舞われたことで、ボーリング&ホーニング後1万km時点における内燃機加工の結果について検証することとなりました。
今日の記事は、そのことについて書いてみましょう。

非常に残念な加工であったと同時に、ある意味では内燃機屋の腕を信じて作業依頼する側からすると、極めてショッキングな事実でもあります。


これは、今回ブローしたZ1Rのシリンダーです。
昨春、Y県にあるTという内燃機屋に、ワイセコ72mmに合わせたボーリング&ホーニング作業とシリンダー上面の修正研磨を依頼したものです。その際の加工指示は、いわゆるお任せということで、特段の数値指定はしていなかったとのことです。
つまり、ワイセコ72mmに合わせてボーリング&ホーニングして、シリンダーに歪があれば、最小値で修正面研して欲しいというものです。

RIMG7366.jpg






まず、シリンダー上面が斜めに研磨されていました。
4番吸気側と比較して、1番排気側は0.1mm以上も低くなっていました。
計測した渡辺さんによれば、
「ちょっと信じ難い数字なので、最初は下面にゴミでも噛んだのかと思った・・・多くのシリンダーを見てきたけれど、こんなに斜めになっているのは初めて・・・」
というレベルです。


ピストンクリアランスは、0.07~0.08mmありました。
数値は揃っていましたので、この数値を適正と認識して加工したのかもしれません。
ワイセコの適正値は0.045~0.055程度ですので、広すぎです。
それによって、もともと広めになる傾向があるワイセコのトップリング合口隙間は0.45mmにもなっています。
10万km走ったあとならいざ知らず、1万km程度でこんなに広くなっているとは・・・
ならしが終わった直後からブローバイが多かった原因はこれです。
ピストンリングの合口隙間については、また別に記事を書くつもりです。

こちらにアップしました

ピストンリング合口隙間とピストンクリアランス

RIMG7365.jpg







これによってどういう痕跡が残るのか、これをご覧ください。
セカンドリングとオイルリングの間までカーボンが付着しているのがわかりますが、ここまで燃焼ガスが吹き抜けているということです。その原因は、広すぎる合口隙間です。

RIMG7364.jpg






この検証の経過は、下記の渡辺さんのブログにも掲載されていますので、併せてご覧ください。
これが、今回の内燃機加工の現実ということです。

シリンダー斜め
http://misbell.blog111.fc2.com/blog-entry-772.html

クリアランス&合口
http://misbell.blog111.fc2.com/blog-entry-771.html



これらのことは、今回のエンジンブローの直接的な原因ではありません。
まあ、強いて言えば、1番ピストンが先に溶解して棚落ちしたのは、シリンダー上面が斜めになっていて、最も低かった1番の圧縮比が高くなっていたからかもしれません。しかし、2~4番ピストンについてもデトネーションが出ていますので、仮にシリンダーが斜めになっていなかったとしても、いずれ近いうちに同様のブローをしたのは必至です。
しかし、それ以前に、歪んだシリンダーを修正するための上面研磨において斜めに研磨していたのでは、それこそ話にならないというものです。
また、広すぎるピストンクリアランスや合口隙間について、使用限度内にあるのも事実ですので、それを盾に問題ないと言われるかもしれませんが、10万km以上も走行して摩耗した結果の限度内ギリギリというのではありません。
ボーリング&ホーニングしてから1万km程度の走行で使用限度ギリギリ、いや、加工した時点で最初から使用限度近くのクリアランスになっているということが問題です。
ならしもせずにいきなり全開走行せざるを得ないような一発勝負のレースエンジンというのであればまだ理解できなくはありませんが、これから長きにわたって楽しもうというエンジンにおいて、この設定はいかがなものか・・・


満足な計測器具すら持たないプライベートチューナーは、いったい何を信じれば良いのでしょうか・・・




※ 後日談
私がこの内燃機屋の作業を記事に書いた背景について追記することとしましょう。
この内燃機作業を依頼したのは私の知人ですが、今回の、シリンダーが斜めに修正研磨されていた件について直接に電話にて山口県T氏に問い合わせたのですが、その際の回答は、下記のようなものでした。
「修正面研磨というのは、歪んで曲がった面をまっすぐに修正するもので、もともと斜めになっているものをシリンダー下面に対して平行に修正するものではない。」
というものでした。
この説明が一般的に納得できるものなのかどうか、当事者ではない私は評価すべき立場にはありませんので言及は避けます。もしかすると、修理屋としての内燃機屋の業界では、これが常識なのかもしれません・・・まさかね・・・
そもそも知人が納得できなかったのは、申し訳なかったとか迷惑をかけたという類の謝罪もしくは遺憾表明は皆無であり、終始、自己の正当性を主張するばかりで、あたかもクレーマーのように扱われたという点にあります。
ましてや、知人によれば、この修正面研磨は、「古いシリンダーは修正面研磨した方がいい」というT氏からの提案営業に基づくものだったそうですし、上記の修正面研磨の定義や趣旨についての事前説明もなかったとのことにて、知人の怒りは絶筆に尽くしがたいものだったようです。





「ファクトリーまめしば」のフェイスブックページを開設しましたので、ぜひご覧になってください。そして、「イイネ」をポチリとお願いします。

F/B Factory-mameshiba





↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


にほんブログ村 バイクブログ バイク カスタムへ
このアイコンをポチッとネ
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
記事をお読みになったら、一日ワンクリックをお忘れなきようにお願いします。皆様のご支援が、記事更新の原動力となっております。


↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑








1回の点火タイミングに複数回の火花を飛ばすことで、点火能力を飛躍的に向上させることができる・・・ご注文は、下記をご覧ください。現在は、在庫を確保しておりますので、即納可能です。


マルチスパークアンプ(MSA)4気筒用の注文受付について



マルチスパークアンプ(MSA)については、こちらのカテゴリーにまとめていますので、ぜひお読みになってください。
マルチスパークアンプ

すでに装着された方々のインプレはこちらにまとめてあります。これは必見です!!!

マルチスパークアンプ(MSA)インプレ集


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



CRキャブレター用「Mノズル」、新型となってさらなるパフォーマンスアップを果たしました。
価格
1個 4,200円(税込)




RIMG1314.jpg



CRキャブレターのパフォーマンスを劇的に向上させることができる「Mノズル」発売以来、1年半の間に2,000個をデリバリーするほどにご支持をいただいてきましたが、今回、さらにパフォーマンス向上を実現したニューバージョンへと進化を遂げました。



インプレ集(必読です)
・新型Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-1255.html
・Mノズル
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-813.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-817.html
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-824.html

ご注文に際しては、下記の事項について記載の上、メールにてお願いいたします。
事務処理の都合上、身内も含めて、これまでにお取引のある方についても、所定事項について漏れなくご回答の上、必ずメールにてお願いします。
装着要領及びリセッティングガイダンスとともに、ご購入のご案内を返信いたします。

・郵便番号
・ご住所
・お名前
・電話番号
・CRキャブレター口径
・使用マシン(含エンジン仕様)
・Mノズルの個数




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



クランクケース減圧バルブ「レデューサー」
価格
ツインリード  1個 28,980円
クワッドリード 1個 49,980円
その他、オイルセパレーター等のオプションパーツについてはお問い合わせください。



prv02.jpg



クランクケース内圧が、いかにエンジンのパフォーマンスを阻害していたのか・・・これを装着して走り出した瞬間に実感するに違いありません。
この、圧倒的な効果を誰にでも体感させてくれる、クランクケース減圧バルブ「レデューサー」についての検証と実験の経過はここにまとめてありますので、どうぞご覧ください。

http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-category-1.html
すでに定評を得たこの部品ですが、まめしばならではのノウハウをもとに提供することができます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



オイル添加剤 「プロメディック」
燃料添加剤 「トップルーブ1000」

この手の添加剤、巷には様々な種類が出回っていますし、その評価も様々です。
また、そもそも、こういうものを好まない主義の方もいますよね・・・私もそうでした。
きちんと組んだエンジンに的確なセッティングを施し、優れたエンジンオイルを使用していれば、それに優るものはない・・・そう考えていたのですが、ルブロス製品にはちょっと驚かされたというのが本音です。
すでに私も中毒患者・・・

RIMG1306.jpg
RIMG1308.jpg


この、プロメディックを始めとするルブロス製品については、こちらにまとめてありますので、どうぞご覧になってください。費用対効果という観点からも、極めて優れたものと感じています。
ルブロス製品




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ファクトリーまめしばスペシャルパーツのリンクはコチラです

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ファクトリーまめしばスペシャルパーツ
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

これらの部品や作業等に関する各種お問い合わせは、
mameshiba198★gmail.com(★に@を入れてください)
までどうぞご遠慮なくメールをお送りいただくか、直接お電話をください。


〒253-0051
神奈川県茅ヶ崎市若松町3-16-502
ファクトリーまめしば
090-3342-1234





拍手もどうぞよろしく!!!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
スポンサーサイト



Comment

Re: いつも勉強させて頂いております。 

今回のことについて私は当事者ではありませんが、組付け時に仕上がり確認の計測はするべきでしたし、それ以前にお任せではなく、きちんとした加工指示をすべきだったと感じます。しかし、多くのプライベートチューナーにとって、それをするのも現実には難しい・・・
やはり、仕事として受注納品した側が、きちんとした検査表などを添付するのが筋だと思います。
世間一般の精密加工業においては、当たり前のように要求され、実行されていることです。


> 頼んだ仕事、買った部品を組み付ける前にチェックする、
> 当たり前の事ですが 徹底するのは意外に難しい事です。
> 今回、改めて重要性を再認識させて頂きました。
> 全部、お任せで内燃機屋さんによく出してます。
> 大きな信頼を寄せてはいますが、
> 出来上がった仕事を確認せず組み付けるのは
> 失礼に当たりますね。
> 今一度、気を引き締めて確認を怠らないよう
> 努力いたします。
  • posted by mameshiba198 
  • URL 
  • 2013.06/20 17:08分 
  • [Edit]
  • [Res]

いつも勉強させて頂いております。 

頼んだ仕事、買った部品を組み付ける前にチェックする、
当たり前の事ですが 徹底するのは意外に難しい事です。
今回、改めて重要性を再認識させて頂きました。
全部、お任せで内燃機屋さんによく出してます。
大きな信頼を寄せてはいますが、
出来上がった仕事を確認せず組み付けるのは
失礼に当たりますね。
今一度、気を引き締めて確認を怠らないよう
努力いたします。
  • posted by カズ 
  • URL 
  • 2013.06/17 01:20分 
  • [Edit]
  • [Res]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

mameshiba198

Author:mameshiba198
ファクトリーまめしばにおける日々の作業内容についてご紹介しております。
また、オートバイを構成する各部について、その原理や法則に及びつつ、実践的なノウハウも盛り込んでおりますので、参考にしていただければ幸いです。

ファクトリーまめしばの営業について、特段に定休日や営業時間を設けておりませんが、一人で切り盛りしておりますので、おいでになる際には、あらかじめのご連絡をいただければと思います。

〒250-0852
神奈川県小田原市栢山2925-3
株式会社ファクトリーまめしば
Tel:090-3342-1234
FAX:0465-46-7041
Mail:mameshiba198@gmail.com

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

カレンダー

04 | 2022/05 | 06
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
車・バイク
4位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
バイク
1位
アクセスランキングを見る>>